某氏に教えていただいて読んだ日経Tech-onのNEX記事「驚きに乏しいソニーのミラーレス機「NEX」」。
ん〜、カメラだけにちょっとピントがずれてないか?と書き始めたら、最近、ランデブー飛行の多いクマデジタルさん(そこ!ラブラブ飛行とか言わない)が、シャープに批評していた。(いや、ここはシャープの話じゃなくソニーの話だが)
ので、クマデジタルさんにまかせて、ワタシはガンダムネタでも・・と思ったのだが、そうもいかないらしいので、書いておこう。
ちなみにNHK「Bizスポ」は未見。日経Tech-onは登録の必要な一種の会員制記事なのでクマデジタルさんはリンクを張っていないが、mono-logueでは批評に必要な最低限の引用を行う。 リンクも張らないが、原文にあたられる方は、「日経Tech-on NEX」で検索すればすぐ見つかると思う。
最初に感じたのは、なんで皆、ソニーをそこまで特別視するかなあ、ってこと。
そりゃ、ワタシも初めて買ったシステムコンポ(死語?)はサウンドセンサーだったし、ブラウン管時代はテレビだろうがPCディスプレイだろうがトリニトロン管以外は選ばず、最後のテレビモニターはプロフィールプロだったから、ソニーという響きには独特の思い入れはある。
だけど、そんな驚きに満ち、ユーザー体験を刷新することで市場を拡大するという要素(青文字、日経Tech-onより引用)なソニー製品って、トリニトロンにせよ、ウオークマンにせよ、ベータカムにせよ、10年も20年も昔の話。
21世紀に登場したソニー製品で、そんなものは存在しない。パソコンも、ビデオカメラもBDレコーダーも、「優れた製品」があるだけだ。
なのに、相変わらず「サプライズ」を求めるのは、それが批判的文脈のなかであっても、20世紀のソニー感だなあ、とか感じてしまうのだ。閑話休題。
で、日経Tech-onの記事、
驚きに乏しい・・とタイトルされた記事で驚いたのは
ここでは,(中略)本質的な他社製品との違いについて報告する。(日経Tech-onより引用)
と始まった記事のどこにも、本質的な話がないこと。
驚きに乏しかったのは仕様がダダ漏れだったことも一因。。
って、ちゃんとした記事に「ダダ漏れ」と書く神経も疑うが、
ユーザー体験を刷新することで市場を拡大するという要素(日経Tech-onより引用)がないのを驚きとしている(ように読める)。
カメラの話・・・・だよね?これ。
交換レンズのロードマップが提示されなかったこと
EVFが用意されなかったこと
既存αレンズのAFが動作しないこと
うんうん、ワタシも不満だ。レンズのロードマップは知りたいし、EVFもあったほうがいい(でも、使わないと思う>理由はいつか別のエントリーで)。αレンズの資産はないけど、既存ユーザーはAFが効くと嬉しいよね。
で、それらのどこが本質的な違いの話なの?
せっかく 商品企画担当者との質疑応答などを通して(日経Tech-on)いるのだ。ただのカメラマニアやソニーマニアではない専門マスコミとして「本質的な」話をしてほしい。
NEXは短い(かどうかはワタシには分からないのだが)開発期間のなかで、守るべきところ、捨てるべきところ、をかなり確信犯的に行ったプロダクツに見える。
カタログ表記に35ミリ換算値の記載がないこと、EVFが(少なくとも当初)用意されないこと、革シボのついたグリップ・・的デザインを行わなかったこと・・それらが黙示するソニーの考えるこれからのカメラ像やユーザー像。
そこへ思いを巡らすことなく、EVFがない、驚きがない、って、カメラ好きが喫茶店でだべってるのとは違うんだからさ・・・。
(カメラ談義としちゃ好きデス。次のEレンズはぜひ、手ブレ補正付き50mmマクロあたりを。NEXに足りないのは最短撮影距離だ!)
日本のものつくりは。。。とか、大企業体質は。。とか、ガラパゴスが、とか、言うのはたやすい。
でも、それを言うとき、そのなかに自分が含まれることを忘れてはいけないと思う。
驚きに満ち、ユーザー体験を刷新するものを、といいつつ、iPadは日本に向かない。みたいなことを言ってはいないか?
うちの会社はさあ、って言うとき、自分がその責任の一端を背負ってる自覚があるか?
ああ、とりとめが無くなってきたので、この辺で
シャープには締まらなかったなあ、まあ、ソニーなので(しつこい?)
あ、
この一方で,かなり優れていたのは,・動画撮影中にオートフォーカス(AF)が確実に動作し続けること(日経Tech-onより引用)
は、ワタシは違う印象を持っている。ワタシも数十分触っただけだし、再検証できないのであえて言わないが、記者の思い込みと検証不足だと思うのだがどうだろう・・。
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日経Tech-on云々tweetした張本人です。ボロッとこぼした呟きがblog記事にして頂くと、嬉しい限りです。
このレフレス一眼(@Saikaさん)は、カメラに対して時代の求める一大ムーブメントなのだと思います。
Appleの初代iMac、初代iPod、初代iPhone、iPadへの批判や、ソニーの初代Walkmanや、初のコンパクトCDプレイヤーなどへの批判を思い出します。
これらは結果的に、的外れだったと思いますので、NEXも売れるのではないかと思っています。
いつの時代も、消費者は、意外に普通に見えていて、使い勝手のよい、別のものを求めていると思います。
そこに必要なのは、初見(ファーストるっキング)でのインパクト、一目ぼれするプロダクトなのかだと思います。
カメラ界では、Olympus E-P1が、見た目だけ(スタイリッシュなミラーレス)で大量に売れたと散々叩かれました。
ソニーのNEXは、それに対するソニーなりの返答なのだと思います。
さて、結果は、どうなるでしょう?
私の予想では、想像以上に売れるのではと思っています。
レンズ交換式カメラでこの奇抜さはどうなのかと素人ながら少し心配しています。
(性能とは違う次元のお話として)
また、様々なコラムも使い捨ての時代の様相を感じずにはいられません。