「どうして波動エンジンではなく、コスモリバース(オリジナルではコスモクリーナー)を直接持ってきてはくれなかったのだ?」
と、それは言わない約束では、と思ってたセリフを登場人物に喋らせるところから始まる衝撃の(?)宇宙戦艦ヤマト2199 第6章は、オリジナル通りに七色星団の戦い。
以下、ストーリー上のネタバレは極力避けて、主に七色星団の艦隊戦のみを語るものの、当然、分かってしまうので知りたくない方はそっとMac(いや、Winのひとも)、iPhoneを閉じて欲しい(笑)
いや、ただの与太話ですが。
七色星団の戦いと言えば三段空母。オリジナルヤマトでもガミラス巡洋艦と並んで屈指のデザインと思う。(写真はオリジナルヤマト版の第三空母)
もちろん、この七色星団の戦い自体、ミッドウエー海戦で空母4隻を一気に失った故事が下敷きになっているのは間違いなく、その旗艦、赤城が三段空母だった時代がある(ミッドウエー海戦時は近代化改修後なので1枚飛行甲板なんだけど)ことから、三段空母なんだと思うが、由来はともかく、個人的にヤマトシリーズ屈指の艦船だと思ってる。
で、三段空母、として有名なこの空母、飛行甲板は4層なんだよね(笑)
実は今回、初めて気がついて恥ずかしい。オリジナルからそうだったんですね。
そのせい(?)か、オリジナルヤマトでは三段空母と呼ばれていたこの空母、2199ではガイペロン級多層式航宙母艦とされ、しかも七色星団で登場する3隻は色だけでなく、建造年式が異なるせいで細部が違うという。(最も古い第3空母であるシュデルグはアングルトデッキを持たないとか、新しいバルグレイは甲板の先が山形とか)
デザインだけでなく描写演出もよいのが今作2199の特徴で、空母艦橋のレーダーがくるくる回転している様や、被弾した第二空母ランベアがかしいだとき艦上の急降下爆撃機スヌーカが甲板を滑り落ちる描写はデジタル作画時代ならではと思う。
オリジナルでもガミラス艦載機の発艦シーンで機体が少し沈んでから浮かんでいく描写があったが、今作ではさらに徹底して?踏襲され、戦闘機、攻撃機は素直にカタパルト射出→上昇し、重そうな雷撃機、爆撃機は一度、沈んでから上昇していく。
もちろん、そんな必要が無いのは誰もが知っているが、遙かに手間と技術の要るそういう描写をするのがヤマトというアニメなのだと思う。
で三段空母は最下層の飛行甲板が艦首から艦尾まで通貫した構造にリデザインされ、いかにも弱そう。中盤で第一空母バルグレイが僅か2機のヤマト側艦載機によって沈んでいるのも宜なるかな。
まあ、ガンダム1機に12機のリック・ドムと2隻のムサイ、1隻のチベが沈められたこともあるし、そうでなくても対艦ミサイルを4発も直撃受ければ空母も沈むか、なのだが。
だから艦載機離艦後の空母は後方に待避するのが常道なのを、わざわざ手負いのヤマトの前に現れて艦隊戦に持ち込むのがそもそもの作戦ミスなのだけど、それはドメル自ら過ちを認めてるので仕方ない(笑)
そして、本来なら護衛の艦艇で守られるべき空母が裸で戦場にでた理由もちゃんと説明されてるのも今作の特徴。
見るまでは、空母だけの機動艦隊運用とか、ドリルミサイルの逆進で艦隊壊滅とか、そういう話はやらないだろうと思っていたが、そんなワタシの浅い発想とは逆に、オリジナルに忠実に、でも、それに対する説得力をもって、オリジナルを踏襲する演出が貫かれていた。
さすがだ。
そして基本展開はオリジナルと同じながら、「苦い」戦いになっているのが注目だと思う。
「逃がすかよ」といいながら山本が撃墜するのはドリルミサイルを発射して帰投中の爆撃機(実際は民間機を転用した輸送機)だし、乗っているのは年老いた兵隊だけだったり、森雪を拉致されて逆上(?)した古代が次々撃ち落とす雷撃機は、ほとんど魚雷発射後のカラの機体だ。つまり事実上、ヤマトを守る役に立っていない。この苦い戦闘シーンの演出は最終章の伏線になっているのだろう。
そうそう、七色星団の戦いの中で脱出?した伊東、藪はこれから絡むのかと思ったら、21話で退場してしまうのだが、そのなかでシーガルが大破、不時着する。
シーガルってヤマトには2機しか積まれておらず、1機は4話で破壊されているので、結果、3人以上を空輸できる機体はなくなったはずだけど、大丈夫なのかな・・・
以上、長文の閑話休題でした。
劇場でみて、損はないです、ええ、ぜったい。
-ads-