建築に強くないワタシでも知っている建築家、オスカー・ニーマイヤー。その回顧展は日本初だという。東京都現代美術館で開催中のオスカー・ニーマイヤー展に行って来た。
で、この展覧会が最高に素晴らしかった。
一部を除き、撮影OKだったので、お散歩カメラOM-D E-M5 IIと12-40mm F2.8で。
光降り注ぐアトリウムに展開された1/30サイズのイビラプエラ公園の模型は、なかを歩くことが出来る。
国連ビルをはじめ、彼の関わった建築の模型たち。
展示にもニーマイヤーの思想を反映させようという意思が溢れていた。素晴らしい。
あとで知ったのだけど、会場デザインは金沢21世紀美術館を設計したSANAA。オスカー・ニーマイヤーを敬愛している縁らしい。
オスカー・ニーマイヤーの作品というと語弊があるけれど、ブラジリアは彼そのものにも思える。
第4展示室で上映されているドキュメンタリービデオは、1時間近い長いものだけど必見。
おそらく16mmフィルム撮影の素材をSD解像度のNTSCでテレシネ、DVD上映している粗くて、解像度も質感も足りない映像(さらに妙な特撮合成の入るイントロ)だけど、オスカー・ニーマイヤーの記録ではなく、ブラジリア建設にかけたジュセリーノ・クビチェックの狂気のような情熱と、その喪失をニーマイヤー自身が語る、苦く、素晴らしいビデオだった。
第6展示室、ハイライトとも言える1/30 イビラプエラ公園。
それほど人の多くないタイミングだったせいか、座り込んだり、寝そべっているひともいたけれど注意されることもなく、ニーマイヤーの描いた世界のなかに立ち(あるいは座り)自然光を受けるのはとても楽しい経験だった。
模型制作は野口直人建築設計事務所。
この展覧会は、2015/2016年ブラジル・カルチャー・フェスティバルのこけら落としらしい。
そして偶然かどうかは分からないけれど、仲良くさせて頂いているフォトグラファーの南雲暁彦氏が、この秋から全国のキヤノンギャラリーでひらく写真展のタイトルが BRASIL。
南雲さんは子どもの頃、ブラジルに住んでいて、イビラプエラ公園にもよく遊びに行っていたらしい。
南雲 暁彦 写真展:BRASIL 9/17〜 キヤノンギャラリー銀座 以降、梅田、福岡、札幌。
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