高速大容量だけど現時点では実力を発揮できない?CFexpress 4.0:OWC Atlas Ultraの続きです。
そのとき書いたように、現時点で世にあるカメラでCFexpress4.0に対応したものは存在しないので、撮影時にCFexpress4.0を活かすことはできません。でも対応カードリーダーを使ってPCへ転送する速度は違うはず。
自分の保有するCFexpressカードとCFexpressカードリーダー(は大学保有のもの含む)で、Macへの転送速度を測ってみました。
今回、Other World Computing(OWC)より開発中のCFexpress 4.0対応カードリーダーの試作機?プロトタイプ?を短期間お借りして、それも比較対象にしています。
今回用意したCFexpress TypeBカード
サンディスクのExtreamPro CFexpress 128GBは3年半前に購入したものですが、価格こそ大きく下がっているものの仕様としては同じものがいまもカタログモデルなのはスゴイと思います。
また、OWCのAtlas Ultra 1TBは手持ちのものはリード1,850MB/s、ライト1,700MB/sモデルですが、現在は仕様変更が行われ、現行モデルではリード3,650MB/s、ライト3,000MB/sになっています(価格は現行モデルのもの)
ただ、ユニークなことにOWCはこのAtlas Ultra 1TB(旧仕様)をファームアップでCFexpress4.0にできるファームウエアを配布しています。この後の速度テストでは、ファームアップ前とファームアップ後をそれぞれ計測しています。
用意したCFexpressカードリーダー
ケーブルは原則、製品に付属しているものを使いました。
写真ではMacBook Proですが、実際の計測はMac Pro 2023で行いました。
計測はBlackMagic Sped Test 負荷設定5GB、AJAのSystem Test Lite 負荷設定4GB。(負荷設定が小さいと数値が高めに出る傾向がありますね)
各6回計測し、いちばん低い結果を削除、残り5回の平均値を記載しました。
結果はこんな感じ。想像以上にカードリーダーの差が出ているように思います。
どのカードもProGrade PG05.5(USB 3.2 Gen2)では似たような性能しか出ていませんが、Thunderbolt3のOWC Atlas FXRでは2倍にスピードがあがります。
さらにUSB4かつCFexpress 4.0対応のProGrade PG05.6やOWCの試作機ではCFexpress 2.0規格のカードはThunderbolt接続時と大差ない感じですが、CFexpress 4.0のカードはさらに倍近い速度でProGrade PG05.5の3~4倍の速さという。これは赤く塗らないといけないのでは(ガンダム脳)。
ProGrade PG05.6が市販モデルに対し、OWCのものは試作機。現在、CFexpress 4.0カードの実力はカードリーダーを使ったPC転送時でしか発揮できないことを考えると、同時に対応リーダーを発売したプログレードデジタルは流石だなあと思います。がんばれOWC。
ちなみにProGrade PG05.5と05.6は筐体のカラーが違う以外は同じサイズに収めていて、転送速度がこうも大きくなると発熱量も大きくなりそうなのに大丈夫なのかなと思ったら、デジカメWatchのインタビュー記事に「冷却性能を高めるヒートシンクを内蔵するなど再設計」と書かれていました。流石です。ということは、05.5のSDカードスロットの部分にヒートシンクを仕込んだなら、このサイズでのダブルスロットリーダーは出てこないってことですね。
OWCの試作機はAtras XFRと似たデザインですがサイズは一回り大きい、これも放熱対策なのかもしれません。、まあ、プロトタイプなので量産型はサイズダウンの可能性もあると思いますが、無理に小型化してサーマルスロットルがフル稼働・・・になっては本末転倒なので、そこのバランスはうまくやってほしいところ。来年早めの発売を目指して・・とInterBEEで言っていたので、期待しています。
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