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機内持込できて脚反転なしのトラベラー三脚:ピークデザイン トラベルトライポッド

ストラップにカメラバッグ、クリップと新興勢力ながらここ数年で一気にカメラアクセサリーの有力ブランドに成長したピークデザイン(Peak Design)が新しくチャレンジするのが三脚。もちろんピークデザインらしく、既存の三脚フィロソフィーに乗らない、良くも悪くも独創的な新世代トライポッドになっていました。Peak Design TRAVEL TRIPOD

Peakdesign Travel Tripod Carbon_01

すでにクラウドファンディング購入者には製品が届いているようですが、ワタシは国内商流派なので銀一に予約状態。CP+2020が中止になったためそこで展示されるハズだったデモ品をお借りして、数日のロケに持って行きました。
これを先行販売でいいと言ったのですが(笑)あくまでデモ品なので、販売分が来たらね、ということですでに製品は返却済みです。ので、細かなところは記憶が間違っているかも知れません(予め言い訳)。その状態でのレビューというかファーストインプレッションです。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_02

ピークデザイントラベル三脚の特徴は
・機内持込可能なコンパクトながら脚反転のない機動性
・イマのニーズを取り入れた現代的なギミック
だと思います。
縮長(格納高)は40cmを切る39.1cm。直径は7.9cm。ちなみにEFレンズのスタンダードとも言えるEF24-70mmF4Lのフィルター径は77mm、最大径は83.4mmです。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_03

ワタシの現役トラベル三脚はジッツオのI型、GITZO GK1580TQR4。ただし、あの雲台のクイックシュー構造がどうしても馴染めず、その後、雲台をRRSのBH-25LRに換装して使っています。(写真左)
銀一からお借りしたピークデザイントラベルトライポッドのカーボンファイバーモデル(写真中央)、アルミニウムモデル(写真右)。両者は重量と堅牢性以外は同スペック。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_04

縮長以上に差が大きく感じられるのが直径。変形五角形の脚の組み合わせでこれだけの違いがあります。
それ以上に大きいのが、ジッツオ(に限らず)トラベラー三脚は収納時に脚を180°反転させて格納することでコンパクトさを実現するのですが、それゆえ展開時と格納時に余計な手間がかかります(特に格納時)。
トラベル三脚なのに旅先でストレスになるのがイヤで3年前にジッツオのマウンテニア GITZO GK1542-82QDを買い足しています。

トラベル三脚比較表

ただ、仕様並べると分かるのですが、マウンテニアは縮長(格納高)が65cmなので、飛行機に乗るときに機内持込できません(ANAの案内)。まあ、雲台を外して雲台だけ鞄に入れる手があるのですが、PeakDesignのトラベラーはそのまま機内持ち込みできて、使用時に脚を反転させることもない普通の使い心地を提供してくれるという意味で最高のトラベル三脚だと思います。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_11

5段の三脚で、5段展開(センターポール格納)時で130cm、センターポール展開時で152.5cm。ワタシが171cmです。
自分のトラベル三脚に要求する仕様が、一般的な手すり(120cmくらいが多いと思っています)以上、可能ならアイレベルまで、なので、脚だけで130cm、センターポール展開で150cm越えのピークデザインは合格点です。
ただ、5段フルに展開すると簡単にしなるなど剛性感は不満がでます。個人的な印象では4段までが実用範囲といったところ。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_06

センターポール下のフックにカメラバッグ下げると安定感は増すのでイイ感じ。ピークデザインのエブリデイバックパック、ちょっと重いので(笑)こういうときには○。それでも風が強いときは不安あるかな。
この辺が悩ましいのは、それを言い出すと三脚は重くがっしりとしたものがいいに決まってるし、センターポールも同様、いや、中途半端なポールはない方がいい、動画ならスプレッダーも必須。じゃあ、それ持って旅行に行くの?って言えば(自分的には)ない。仕事で、バジェットが充分あって、スタッフも多いならザハトラー持って行くけどさ、ってヤツで。トラベル三脚は原理主義的に言えば矛盾のカタマリ。どこを割り切って(我慢して)どこに注力するのか、そして自分の要求ニーズとの相性はどこ、で選ぶしかないと思います。
その意味でピークデザインは「手ぶれ補正が一般的になり」「高感度性能が向上した」時代を前提とした設計なのだと思うのです。従来の三脚フィロソフィーを無視はしていないけれど重視もしていない感じです。(私見)

Peakdesign Travel Tripod Carbon_08

実測で1.295g。公称重量1.27kgですが、あれ?カーボンモデル、センターポールをカーボンから剛性向上のためアルミに仕様変更したときに、ピークデザイン自身が16gの重量増と書き、全体重量を1.29kgとしたハズなんだけどな。
でも本国の公式サイトでも1.27kg表記のままですね。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_09

ちなみに前述したワタシのジッツオトラベラー RRS雲台換装バージョンは、実測で1180gです。旅行先で移動があまりないときはまだ活躍の余地がありそうです。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_10

EOS RにRF24-70mmF2.8L、RF15-35mmF2.8Lを付けた範囲では、十分な安定感。超長時間露光までは試していませんが、数秒のスローシャッターではブレは生じませんでした。センターポールちょい出し運用時。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_12

センターポールは細く、華奢で、やや心許ない気がしますが、目一杯のばすので無ければ不安はありませんでした。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_15

じゃあ、伸ばさずに使えばいいじゃん、とも思ったのですが、格納時(写真上)は脚の間に雲台の凸部が収まる構造で、この状態では雲台が動きません。ので、センターポールを少し伸ばして雲台の可動幅を確保してあげることが必要です。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_13

雲台もピークデザインらしく独特の構造。クイックプレート(アルカスイス互換)の固定用リングレバー、雲台のアジャストリングが同軸に配置されスピーディーな操作性を実現しています。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_14

プレートはピークデザインのスタンダードプレートが付属。ロッキングリングを回してゆるめ、リリースボタンで脱着します。
装着時はリリースボタンは自動で閉まるので、ロッキングリングで締めるだけです。さらに同軸上に雲台のアジャストリングがあるので、角度のセットアップまで一連の動作で行うことが出来ます(動画参照)

Peakdesign Tripod from SAIKA on Vimeo.

アルカスイス互換雲台は便利な一方、ノブ等で締める形が多いのでそれに較べると操作性がひじょうに優れています。その代わり、雲台ロックとカメラロックが同一軸上にあって間違える可能性もあるのですが、ここは操作性とどっちとるか、でしょうか。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_16

脚の展開は2段階。本当は間にもう一段欲しいところですが、割り切られた部分でしょうか。間違って違う開脚度にしちゃうリスクはなくなってはいますが。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_17

脚を全開に開き、センターポールを引き抜いて

Peakdesign Travel Tripod Carbon_18

分割することで地上高14cmの低い位置を実現しています。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_19

脚の裏側には仕様と生産地が洒落たデザインで描かれていますが、この辺は実用性と言うよりは見た目優先でやってみた、ってところでしょうか。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_20

一般的な三脚とは違うのだよ、ただの三脚とは、と主張する各パーツの主張の強いデザイン処理。それを支える加工精度も流石だと思います。脚は5段、ロックを外すと滑らかに滑り出ますからね。ただ、この精度に支えられた構造、砂などが入ったらどうなるのかは分かりません。冒頭に書いたようにCP+展示予定機材の借りものなので、さすがに砂浜にざくっと差し込むのは止めました(笑)。でも砂地での運用もしましたが数日のロケ中ではノートラブルでした。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_21

ちなみにこのQRコードからマニュアルやQ&Aにアクセスできるらしいです(試していません)

Peakdesign Travel Tripod Carbon_22

左から、トラベルトライポッド本体、キャリングケース(付属)、パッケージケース。外箱までこのお洒落さは流石です。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_23

キャリングケースはコンパクトかつ軽量で鞄に収まるのも含め◎ですが、ちょっとパッツンパッツン(死語?)で、脚がちゃんと戻していなかったり、上述の雲台が少し本体から浮いてたりすると閉まりません。個人的にはもう1センチだけルーズな作りにしてくれればいいのに、とは思いました(ルーズな性格なので)。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_24

キャリングケースにはバンド型の持ち手があるほか、ピークデザインのアンカー(みんな、余ってますよねw)を使ってショルダーにもできますし、ケースなしで三脚に直接アンカー付けて運用も可能です。
この辺はピークデザインのエコシステムをうまく使ってる感じ。

Peakdesign Travel Tripod Carbon_25

ほかにもスマートフォン用のマウンターが内蔵されていたり、雲台を交換するパーツやスパイク等のオプションパーツもお借りしていて、使ってみた写真もあるのですが、長くなってしまったので、それは後編として続きます。

暫定的にまとめれば、手ぶれ補正や高感度性能によってカメラメーカー自体が三脚なしに云々、と言い始めた時代に、現代の三脚とはを再定義しコンパクトでかつ操作性の高い製品に結実させることで、三脚あると写真クオリティあがるよ、を見せてくれる製品だとお思います。だから従来型の三脚フィロソフィーで語ると剛性はじめ問題点も感じますが、実際、旅行に三脚なんて持って行かない一眼ユーザーが少なくない時代に、持って行く気にさせる「現実解の三脚」として素晴らしいと思いました。
国内正規品が日本に入ってきたらファーストロットを買う約束をしました。ええ。
旅行以外ではジッツオのマウンテニアを使うと思いますが(笑)

オプションパーツを含めたギミック篇(後編)に続きます

国内総代理店 銀一株式会社 ピークデザインカテゴリー(3/1時点でトラベルトライポッドは非掲載)

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