ヤマトは昔も今もアニメがスタート地点なので、原作小説も原作漫画もない。石津嵐版ソノラマ文庫の小説ヤマトも、松本零士の漫画版ヤマトも、原作ではない(ひおあきら版もありましたね)。
そして、今回のヤマト2199でもコミック版のヤマト2199が並行して連載、出版されているが、当然コレも原作ではない。で、これがけっこういいのだ。
むらかわみちお氏が昔からの熱心なヤマトファンなのは知っているけれど、絵柄を含め、あまりピンと来なかったので漫画も手を出していなかった。
(表紙は玉盛順一朗:3巻の第三艦橋はカッコイイね)
ところが、ストーリーは2199に忠実なのだが、演出というか描写がいい。
冥王星会戦で沖田艦の撤退を援護するゆきかぜの描写や、超大型ミサイルの軌道を狂わせるため、月軌道から突入するきりしまとか、アニメ版で見たかったプロットが光る。
数日前に出た第3巻でも、シュルツの描き方がアニメ以上に緻密でイイ感じ。ヤマトが冥王星基地に対して波動砲を使わないと読む考え方、(アニメ版では)良さが描かれないガンツ副官とヤレタラーの何気ない会話。
そのヤレタラーがシュルツ艦(ガイデロール級シュバリエル)撤退の盾となるのはアニメと同じながら、シュルツの命令に従わないガンツが涙を流しているカット、デストリア級(ヤレタラーの乗艦)の突撃を目撃する古代が、その姿をゆきかぜと重ねて、ガミラスを「ひと」だと感じる描写など、演出の緻密さが素敵だ。
さらに、この漫画単行本、カバーを外すと昔の角川文庫を模した画が現れるのだが、その意味がカバー裏のむらかわみちお氏の前書き?で語られる。
いや、いいですよ。このコミック版。
心配なのは3巻終わってもまだ冥王星基地で、この調子だと完結までものすごい時間がかかるのでは?と思うことくらい。
むらかわみちお氏の名前を、むらかみ、と誤表記していました。訂正します。ごめんなさい。ご指摘いただいたコメントに感謝いたします。
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いつもは沈黙の読者です。
今回の記事ですが、「むらか"わ"みちお」氏のところを「むらか"み"みちお」と間違いがある様ですので訂正をご検討ください。
池田様
ありがとうございます。訂正、追記しました。
恥をかくところでした。
本当にありがとうございます