一瞬を切り取るという写真の矜恃からいうと邪道とのそしりもあろうが、ビデオファイルから静止画を得ることが出来れば、というのは、プロアマ問わず、欲しい機能。
昔、ソニーやパナやビクターやカシオから昇華型のビデオプリンターが多数出ていた時代もある。
だけどプリンターとしての能力以前に、SD解像度のインターレースビデオ信号をコンポジット入力する形では誰がどう見ても写真とは非なるモノで、いつしかビデオプリンターは姿を消した。
フルHD時代になって解像度は用途次第では足りるようになり、プログレッシブ素材ならこのくらいは使えるようになった。
では、4K動画では?というのが今回のネタ。前回、Adobe Lightroom Mac版でEOS-1D Cの4Kムービーから切り出したエントリーの続編です。
EOS-1D C 4Kムービーから書き出し
そのままスチルで撮影したもの。
条件を揃えるために、両方とも
EF70-200mmF4L (200mm) F8 1/200秒 ISO 100 ピクチャースタイルオート
スチルと4Kムービーは、解像度および画角が違う。
スチルの上に4Kから切り出した静止画を同ポジであわせ、赤く境界線を書いてみるとこんな感じ。
EOS-1D Cのスチル(最大解像度)は5184 x 3456 pixel
4Kムービーでは4096 x 2160 pixelとなる。おおよそAPS-Hに近い画角と思えばいい。
これはこれまでのEOSムービーと異なり、画素の間引き等によるリサイズを行っていないから。
比較
このくらいでは差を見いだすのは困難
100%比較
背景のスカイツリーほかの描写に違いが感じられる。もっとも、撮影時間に1〜2分のズレがあるのでその違いかも知れないのだが。
この比較だけ見ると、4Kからの切り出しって充分使えると思う。
もっとも、動画として最適(あるいは設定可能)な設定と、静止画のそれは異なる(例えば動画撮影時に、ISO感度は100が下限で50は使えないし、シャッター速度も1/30が下限)ので、4KムービーならスチルはあとからOKとはならない(このあたりの誤解は今後増えそうで怖いところ)のだけど、それでも、この切り出し静止画のクオリティはワークフローに大きな影響を与えそうに思う。
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