テレビ番組や映画を観るのは居間のテレビに繋いだDVD/BDレコーダー・・・なのはすでに昔の話。最近はPC上でNetflixやHuluで見るユーザーも多く、テレビで観る場合もレコーダーよりFire TVやAppleTVを使うことが多いらしい。
そんなオンデマンドマルチメディア用途を意識したPCディスプレイ、BenQ EW277HDRを日本発売に先駆けてしばらく試用させていただきました。これはリーズナブルながらPCにもFire TV/AppleTVといったデバイスにも使え、HDR対応というハイレベルなスペックも有する27inchディスプレイです。
BenQ EW277HDR
PCディスプレイとしては27インチ1920x1080pixelと十分なサイズと標準的な解像度。
液晶方式はVA方式。
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https://mono-logue.studio/3394
Fire TV/AppleTVといったデバイスを繋ぐと、フルハイビジョン(以下FHD)かつHDR対応という優れたエンタテインメントモニターになります。
*画面は著作権上の問題で、自作の映像に差し換え合成しています。
言わばPCモニターとテレビ(放送は受信できないけれど)を1台で兼用する存在で、ひとり暮らしの学生や社会人には非常に便利なものと思います。同時に長時間使用にも安心感のあるアイケアディスプレイであることもポイントです。
今回の試用は、Mac Pro(Late2013)とAppleTV 4K(2017)で行っています。
AppleTV 4KでiMovie THEATERを開いたところ。EW277HDRはスピーカー内蔵なのでAppleTVとHDMIで繋ぐだけでオーディオもEW277HDRからステレオで再生されます。
ベゼルは細枠。そのせいもあって27インチの比較的大きな画面サイズでありながらEW277HDRは縦460.6cm 横613.8cm (厚さ180.9cm)と設置面積は小さい。
写真はPC画面(Final Cut Pro X)を表示時。
スタンドはシンプルな長方形ベース。PC未使用時にキーボードを載せておくのにちょうど良い構造。
ベゼル下段。
映像入力はHDMI(Ver.は18Gbpsの帯域を持ち4K/60Pに対応するVer.2.0)x 2 とアナログD-sub x 1。Displayポート等を持たない割り切った仕様でコストと実用重視のバランス感を感じさせる。D-sub用か、オーディオ入力端子もあり(HDMIは音声重層)。ほかにヘッドホン出力が1系統。
HDMIが2系統あるのでPCとAppleTV等を常時接続しておいて切換使用が容易なのも◎。
このあたりも単身者の使い勝手として便利さを感じる部分。
AppleTV 4KとはFHD HDRで接続しました。EW277HDRはリーズナブルなディスプレイでありながらHDR(ハイダイナミックレンジ)対応が特徴です。
HDRは従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に較べ、輝度の両端が広いという現在注目の高画質規格です。これまで黒潰れしていた暗部、白飛びしていた明部の階調が活き、よりくっきりした印象の映像が得られる規格で、NetflixやiTunesムービーなどで採用が始まっています。が、再生機とディスプレイの双方が対応していることが必要です。
上:AppleTV 4KでSDR(スタンダードダイナミックレンジ)接続したときの設定
下:AppleTV 4KでHDR(ハイダイナミックレンジ)接続したときの設定
AppleTV 4KでHDR接続したEW277HDRでAppleTVのスクリーンセーバーを表示。
写真では伝わりにくい(すみません、腕が追いつきません)ですが、影の暗部から空のハイライトまですべての階調でノビのあるハイコントラストな表示が得られています。
これはvimeoでのHDRコンテンツ視聴でも大きな効果を実感しました。
正直、まだHDR作品の配信は少数に留まっていますが、近い将来、ディスプレイのHDR対応は必須機能になると思います。
画質含め各種調整機能はボタンでメニューから選択する仕組み(後述)ですが、HDRとブルーライト抑制機能は前面にダイレクトボタンが搭載されています。
ただし(ここ重要)AppleTV 4KでHDR接続している状態(HDR規格で信号が入力している状態)では、EW277HDRは常時HDR ONになり、前面ボタン(メニューからも)でHDRをオフにすることはできません。
AppleTV 4KをSDR接続時、あるいは通常のPCをHDMI接続時の前面ボタンの挙動
・HDR、ブルーライト抑制 ともにオフ
・HDRはオン、ブルーライト抑制はオフ(HDRはエミュレート)
・HDR、ブルーライト抑制 ともにオン(HDRはエミュレート)
・HDRはオフ、ブルーライト抑制はオン
それ以外の各種設定、調整は本体下部右にあるボタンで行います。
グリーンランプが点いている右端のボタンが電源。
ボタンはフロントでは無く、下部についています。
ボタンを押すと画面にオーバーレイ表示されるオンスクリーン・ディスプレイを見ながら操作するので、多少の慣れは必要でしょう。
前述したようにHDR接続時は画像表示に対してシャープネス程度しか設定を行うことは出来ません。
SDR接続時は輝度、コントラスト、ガンマ、色温度等の設定が可能になります。
モードプリセットもSDR接続時のみ有効です。
SDR接続時にHDRをオンにすると、HDRエミュレート表示になります。
PC接続時にはモードプリセットが実用的、今回の試用中では
「写真」モードと
NTSC映像の基本とも言えるRec.709のモードプリセットが活躍しました。
このレビューを書いている時点では日本語の公式情報もなく・・と書いていたら、公開直前に日本語ページが出来ていました(笑)。国内販売価格も出ていない(オープン価格?)ので正確なことは書けないものの、3万円台後半との話も聞こえてきます。
だとするとリーズナブルな普及価格帯の製品であるEW277HDRがHDR対応でホームエンタテインメントに直球を投げ込んできたことに大きな意味を感じます。
PC用ディスプレイ、家庭用テレビ、は決して違うカテゴリーの話では無く、ひとつの製品に集約しうるのだと考えると、家電はまさにそこにリーチ出来ないといけないのだと思います。春になると、進学、就職でひとり暮らしをはじめるひとも増える時期。
EW277HDRはデスクトップ派のひとはメインディスプレイ&テレビとして、ノート派のひとは大きなサブディスプレイ&テレビとして、かなり有効な選択肢になるはずです。
BenQ社には、アンバサダー制度があります。
ワタシはレビューを通じて同社製品に触れているので、参加させて頂きました。購入前に実際にモニターする機会がある(あくまである場合もある、ですが)のは、とても良いことだと思っています。
BenQアンバサダープログラム
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