思えば遠くへ来たもんだ・・・頭の中にそんなフレーズがよぎった。
ワタシが買った初めてのデジタル一眼レフが、D60(ニコンじゃない、キヤノンのEOS D60)。2002年の夏だった。
それから8年。順当に進化を続けたEOSの中堅機種は、ついに60Dの型番に至った。みんぽす モノフェローズのセミナーで60Dを試す機会が得られたのでレビュー(というにはじっくり試せていない)というか、ファーストインプレッションを書く。
左がEOS D60(600万画素:2002年)。右がEOS 60D(1800万画素:2010年)。
60Dが型番上、50Dの後継機でありながら、部分的にスペックダウンしている(ようにみえる)ことに、戸惑いやネガティブな意見も散見される。
ただ、キヤノンのプレゼンテーションにあるように、EOSはラインナップを再構築したのだ。プロ機(業務機)としての1D系、プロからハイアマチュアまでカバーし、EOSムービーという鉱脈を掘り当てたEOS 5D Mark II、中堅主戦場2ケタEOS。ファミリー&ファースト一眼レフとしてのKissのラインから、2ケタEOSを2段に分離、上質感、ハイエンド感をまとった7Dと、もっとフレンドリーなラインに。この新ラインが2ケタEOSの型番を引き継いだということなのだろう。
SDHCカードの採用はじめ、Kissの上位モデルを感じさせる要素も多い。このあたりのセグメントの細分化はデジ一眼市場の拡大という事情もあろうし、ライバルであるニコンが中堅機の手厚いラインアップで成功している(ようにみえる)対抗策の要素もあるのかもしれない。(すべて個人の感想)
あまりにまっとうすぎて驚きの要素の少なかった60Dだが、実際に持ってみると想像以上にコンパクト。50D(730g)比で55gと7.5%軽量化しただけ、サイズも1〜2ミリ単位の差しかない(奥行きは増加してる)なのだが、数値の印象と異なり、手の中に収まる感じがとても良い。まあ、EOS 5D Mark IIに慣れちゃってるから、ってのもあるんだろうけど、持った瞬間、あ、いいじゃん、このライトな感じ、と思ったのは確か。
そして60Dをもっとも特徴づける(EOS初の)バリアングル液晶は、横開き。
レンズ軸線を違えない、というニコンの下開き液晶にはそれはそれで芯の通ったコンセプトを感じて好感を抱くが、縦位置(とくにグリップ装着時)やビデオ三脚運用時のフレキシブルさは横開きにアドバンテージがあるように思う。
まあ、ビデオカメラ使用も多いので、横に飛び出している液晶に抵抗がないってのもあるんだろう。実際、ビデオになれていると横開き液晶は使い勝手になんの問題もないが、下開きはかなり戸惑う。
とか書くと、そもそもバリアングル液晶自体、いらねえんじゃね?という意見もあろう。ワタシも正直、デザイン的にバリアングル液晶はいけてないなあ、って思う(笑)
でも、動画撮影時の使い勝手は圧倒的にバリアングルの勝ちだ。60Dの液晶は5D Mark IIのそれより美しく視認性も高いが、視野角はなるべく0に近いところから見たい。
大仰にカメラを構えるのではなく、テーブル位置でさりげなく使えるって、このカメラの立ち位置を考えると非常に重要な気がする(Photo by Kumadigital)
子供や彼女の写真って、必ずしも視線が欲しいわけじゃないよね?
モデル 井上穂奈美さん
EOS 60D + 85mm F1.2 (1/160 f2)
使用した60Dは最終製品版ではありません。JPEG撮影後、みんぽす側で80%リサイズ(IrfanView 32 日本語版使用 ピクセル縮小 80%。JPEG 画質 95 re-sample 処理(2-pass 圧縮))して渡されたものを、Photoshopでリサイズして掲載。
そして横開きのアドバンテージはフロント側から確認できること。
え?自分撮りなんかしないよ、って思うなかれ。意外と重宝するものです。
操作系が大きく変わったのも60Dの特徴。
エプソンのフォトビューアかと思った背面操作系は、これはこれで意図もわかるし悪くない操作系なのだけど、いかんせん 5D Mark IIのEOSコンサバな操作系と違いすぎて短い試用時間では慣れなかった。
サブというかセカンドカメラとして60Dって悪くないなあ、って思うのだけど、この操作感の違いは併用の大きな壁になるかも。
メニュー系は一見従来型を踏襲しつつ、よくブラッシュアップされている。
(手タレ:クマデジタル)
カスタム設定のわかりやすさは、これ、EOS 5D Mark IIにも欲しいよなあ(^_^; って思った。
ロック付きモードダイヤル。
え、モードダイヤルにロックつけないのは、キヤノンの確信犯ポリシーだと思っていたので驚き・・・。
いろんな意味で新しいトライアルのみえる新型である・・。
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液晶格納部の半円状の凹モールドは、D5000でも見られましたけど、やっぱり同じ理由で付けてあるんでしょうかね?
こんにちは。
このブログには衝動的にコメントさせていただきます。
EOS 60D、店頭品を見ましたが、結構軽く、初心者にでも使いやすそうですね。
私としては、40Dや50D並の性能が欲しかったですが、軽くする以上は仕方がないと思います。
私はEOS D60を現行機種として使っています。40Dを使っている私としては、色の出方などは40Dのほうが断然いいのですが、シャープな線はD60に負けます。
色はあまり気にせず、形を意識するときなどはD60を使います。
D60は画素数などはあまり良くないですが、フィルム時代の面影を残しており、デジタルとは違った写りがしていいカメラです。