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Macとの相性が良い27inch4Kハイエンドモニター:BenQ PD2725U(SP)

上を見ればキリがない(50万円オーバーも)下を見ては(2~3万円)満足できない。どこにバランスを取るか難しいPC周辺機器の筆頭がモニターだと思います。ストレージ系とモニター系は導入相談を受けることも多く、十人十色というか、用途も要求レベルも(そして)予算も様々ななかで、長引くテレワークの中、「色の精度には拘りたい」「4Kは欲しいけど、30インチは大きすぎる」「動画にも対応したい」「10万は出せるけど15万はちょっと・・」「せっかくならMacで使い勝手のいいものにしたい」の条件下で選ぶならコレだよなあ。と思っていたBenQ デザイナーモニター PD2725Uを長期試用する機会を頂いたのでレビュー前編。

BenQ PD2725U 公式ページ
このレビューはBenQ社より検証機を貸与頂き大学の研究室でおよそ2か月に渡り試用、執筆しています。本レビューは同社に感謝しつつもフェアな視点で書いているつもりです。間違いが有ればワタシの責任です。事実誤認や間違いがあれば修正し修正点を明記します(誤字脱字の修正を除く)。
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PD2725Uの特徴はなによりハイレベルなクオリティ。27inchのIPS液晶に4K UHD (3840 x 2160pixel)の高解像度と徹底した色精度を実装しています。具体的にはsRGBおよびRec.709に対しては100%。DCI P3とDisplay P3に対しては95%のカバー率を保持しています。これらは同社の推進するAQCOLORテクノロジーによって実現されていますが、その結果、CalMAN認証及び PANTONEカラー認証を取得していて、その色再現性が外部認証によって担保されているのも信頼感に繋がっています。
デザイナーであればテレワークでもオフィスと同等の色精度を得られ、クリエイティブやそれに関連する職種なら、クオリティチェックに万全を期せるモニターとなるでしょう。

そしてThunderbolt 3による接続。近年、USB-Cによる接続可能なモニターも増えてきていますが、PD2725UはUSB-Cコネクタを用いつつも規格はThunderbolt 3。さらに2つあるThunderbolt 3ポートのひとつは65W給電が可能。このUSB-CとThunderbolt 3についてと、そのメリットは後ほどコメントします。

さてPD2725Uには32型の上位機(姉妹機)ともいえるPD3220Uが存在します。ワタシも大学の個人研究室で使っています。両者を比較してみました。画面サイズが異なるため画素ピッチ等は違うものの、それ以外のスペックはほぼ共通どころか、部分的にはPD2725Uが上回っているのに気がつきます。
特にポイントは輝度でしょうか、PD3220Uの300 cd/㎡に対しPD2725Uでは通常使用時は250 cd/㎡とやや低いのですが、HDRモードでは400 cd/㎡になります。その関係か、コントラスト比もPD3220Uの1000:1に対し、PD2725Uでは2割増しの1200:1に向上しています。

この制御はおそらくHDR対応に伴うものだと推察しています。PD3220UではHDR 10でしたがPD2725UではHDR 400(DisplayHDR 400)になっています。これ分かりにくいというか紛らわしいというか、規格の基準が違うんですよね。HDR 10は映像ファイルが10bitであることを示す「ファイル側の規格」で、DisplayHDRは表示能力である「モニター側の規格」です。DisplayHDRはいくつかのレギュレーションに分かれていて、DisplayHDR 400は最大(ピーク)輝度のミニマムが400 cd/㎡と規定されています。つまりHDR表示時にモニターが最低でも最大(分かりにくい表現ですみません)400 cd/㎡ないと名乗れないのですね。PD3220Uは300 cd/㎡なのでDisplayHDR 400の規定を満たさないのです。でもHDR10のファイルを「表示できる」のでHDR10対応ではあります。なお、DisplayHDR はどのレギュレーションでもHDR10対応であることは必須です。

その他、細かい部分ではThunderbolt 3の給電Wが少し下がっているところ(実用上のデメリットはまずありません)。逆に内蔵スピーカーの出力がアップしているところが挙げられます。内蔵スピーカーは音楽を聴いたり映画を楽しんだり・・には物足りないレベルのものですが、解説動画の音声を聴いたりメールの着信など日常用途には十分なものです。フラッグシップモニターはなぜか内蔵スピーカーを搭載しないことが多いので、小さな出力とはいえスピーカー内蔵は便利ですね。

各種端子類は現代的にリファインされています。
①Thunderbolt 3(USB-C)15W
②Thunderbolt 3(USB-C)65W
③DisplayPort (v1.4)
④HDMI (v2.0)x2系統
⑤専用コントローラー ホットキーパックG2接続用
⑥USB 3.1 アップストリーム
⑦USB 3.1 ダウンストリームx2系統
⑧ヘッドホン端子

ここで少し注意が必要なのがThunderbolt 3です。現行型Macには全機種ついているインターフェイス。高速なデータ転送、充電、ビデオ出力(オーディオ重層)の万能型で、ケーブル一本繋げばすべてOK。というのはMacユーザーなら分かっている世界。
このThunderbolt 3が2ポートありますが、2系統の入力を持つわけではありません。

入力切り替え画面(オンスクリーンディスプレイ)
これで分かるようにHDMIは2系統の入力を持ちますが、Thunderbolt 3は入力がひとつです。

Thunderbolt 3端子には、それぞれ別のPCを接続してはいけません。じゃあ、何に使うの?と言えばThunderbolt機器のディージーチェーン(数珠つなぎ)接続です。
もう1台、USB-C入力のモニターを用意すれば、デュアルモニターを構築できますし。

Thunderbolt のSSDやHDDを接続することもできます。このエントリーの4K映像編集画面は、PD2725Uに繋いだモバイルSSDのライブラリから直接編集しています。このように高速なストレージをモニター経由で接続できるのもPD2725Uの優位点といえましょう。

ここで改めてPD2725Uの基本的な特徴を写真で紹介します。
スタンドは150ミリの上下昇降幅を持ち、最高で約60cm、最低で約45cmの(デスクトップ面からの)高さとなります。
ティルト(上下首振り)はマイナス5度からプラス20度なので、上下昇降と合わせて好みの高さ、角度を設定可能です。

スイーベル(左右首振り)は、それぞれ30度。
視野角の広いIPSパネルゆえティルト/スイーベルによる色の変化はほぼ無いに等しく、ノングレア液晶なので照明の映り込みも最小限なのは、複数人で画像を確認するときにもとても有効です。

そしてPD2725Uはピボット機能で縦位置モニターにチェンジすることができます。

縦位置使用時はモニターを台座ピッタリまで下げることが可能です。

この状態でもスイーベル(左右首振り)がスムーズに行えるのはとても貴重。なお、ホットキーパックG2(コントローラー)のケーブルを挟まないように逃がしておくことがコツです。

PD2725Uはベゼル(画面周囲の枠)が狭く、かつ、メーカーロゴ等も目立たない薄いグレイプリントで、目立たない配慮が徹底しているため縦位置モードでも違和感がなく、額縁のように画像だけに意識が向くのはとても良いと思います。
他社のモニターにも狭ベゼルのものは多いのですが、シルバーに輝く目立つロゴバッチが付いていると勿体ないなあと思います。わたしたちは良い画像/映像を見たいのであって、それがどこのメーカーのものかを知りたいわけではないのです。

なお、縦位置モードでは、スマートホン動画やサイネージ広告用に近年増えてきている縦長映像編集時のプレビューモニターに最適な形に出来ます。写真は自宅のBenQ SW321C/SW271Cによる縦位置編集時の写真です。PD2725Uではありません。ご注意下さい。ただ、サイズはPD2725Uとほぼ同じで、下側ベゼル(縦位置では左側面になります)はPD2725Uの方が細いので、これよりシンプルに見えると思います。

専用コントローラーであるホットキーパックG2は、BenQモニター上位機種の特徴とも言える有線コントローラーで、モニターの様々な設定をモニターに近づくことなく通常の視聴位置から操作できる優れもの。
操作感を動画にしてみました。

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