Manfrotto ONE 三脚と 500Xフルード雲台

2025年6月14日三脚/一脚/スライダー

先週、ティーザー広告を展開していたマンフロットから、新機軸？なハイブリッド三脚、Manfrotto ONEがリリースされました。
脚単体（これがManfrotto ONE）販売もありますが、この新システムは同時発表のフルード雲台 500Xと組み合わせてこそ、だなあと思いました。

先週ブログで書いたイメージに近く、スチルとムービーという似て非なる要求に同時に応えるというコンセプトは確かに「新しい世代の三脚」。その特徴は
・非円形チューブによる曲げ剛性・ねじれ耐性の両立
・Xchange QRシステムによるスピーディな雲台換装
・縦位置撮影に瞬時にチェンジできるヘッド（500X）あたりでしょうか。

ビデオ三脚はスチルではあまり問題にならないねじれ耐性が求められ、そのためにスプレッダーを装備する三脚も多いですが、Manfrotto ONEは非円形の異形チューブ（PeakDesignやFALCAMが採用）で曲げ剛性・ねじれ耐性に対応するようです。それだけでスプレッダー不要になるとは思えませんが、効果はありそう。

Xchange クイックリリースシステムは特許取得らしいです。三脚と雲台は交換出来るものの、一体のものというイメージも強く（多くの人にとって三脚は雲台なしとは思いませんよね）、そのスピーディな交換はあまり使用シーンを思いつかない・・と最初は思いましたが、ワタシもマクロ撮影やタイムラプス撮影ではギアヘッドに換装するので、それが三脚の位置を変えずに出来るのは確かにいいかも。
そのために？既存の雲台をXchange QR化するユニットが別売りで設定されている（1.1万円）のでしょうか。

B & H が公開しているManfrotto ONEの動画の中で、雲台を外して三脚と雲台の間にスライダーを挟み、ドリー撮影仕様にチェンジするのに30秒足らず、というカットがあり、たしかにこれは便利そう。

B&HのYouTubeからスクショ引用。（20分50秒あたりから）
このマジックカーペット、元は別会社の製品ですが現在はマンフロットの製品なんですね。大学で使っていますが、重さの割に剛性もあって良いスライダーだと思います。

そして同時リリースの500Xフルード雲台。
一見、普通のビデオヘッドに見えますが、パン方向、チルト方向、それぞれにフルード機能が入っていて滑らかなカメラワークが出来、2.4kgのカウンターバランス搭載ながらスチル撮影時はカウンターバランスをオフ（0）に出来るなど、たしかに動画静止画双方の使い勝手を吟味した感があって期待です。
Xchange QRの爪で固定されるので、雲台の締めが甘いとPAN時に緩む、みたいな事故も回避できそうです。

クランプ部分が90度起き上がり縦位置になるのは、スチル用途はもちろん近年の縦動画対応という意味でもありそう。縦位置自体は従来の3way雲台でも可能ですが、500Xは縦方向の途中で止めることは出来ず、きっちり90度でロックが掛かる構造のようです。縦撮影時に水平だし（垂直だし？）が容易なのは◎ですよね。
気になるのは500Xの耐荷重は5kgと書かれていますが、縦位置状態でも5キロのカメラ、レンズがブレずに保持できるのかは心配なところです。

bさんも書いていましたが、マンフロットのミドルレンジ055系に較べ大きく価格アップ。
ただ、PeakDesignのトラベルトライポッドが（カーボンモデル）12万円を超えている現在だと定価としてはそんなものかもしれません。B&Hの150円換算くらいで実売になれば大学用に検討してみたい気はします。

ただ、基本、ポジに見ていますが、550Xのプレート、501PL、つまりビデオ用のロングプレートなんですよね。
動画と写真のハイブリッド三脚として、シームレスな運用をコンセプトにするなら、雲台やスライダーの換装だけじゃなく、スチルの手持ち撮影もその中に入れてほしい。
カメラボディ前方に盛大に張り出したプレートのカメラを手持ちで使いたいですか、ということで・・。