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シグマの新しい哲学を象徴するカメラ、SIGMA BF:CP+2025

CP+2025でもっとも注目を集めたブースと言えば間違いなくシグマで、その中心核がSIGMA BFだというのは誰もが認めるところだと思います。要素を削ぎ落とし、研ぎ澄ましたBFのデザインは新しいSigmaを象徴するプロトタイプにも見える無垢な意匠に思えます。

シグマ(Sigma)は時を同じくして VI(ビジュアルアイデンティティ)刷新のお知らせ・アートへの貢献に対するステートメントを発表しています。ワードマーク、シンボルマーク(ブランドロゴ)を再定義し、他社だとコーポレート・メッセージみたいに言うところを、ステートメントと言うあたりに、不退転の決意を感じます。
その哲学や企業姿勢をカタチとして象徴する文字通りのVI(ビジュアルアイデンティティ)がSIGMA BFなんだと感じました。そのステートメントに背筋が伸びる想いと、どこへ向かおうとしているの、という一抹の不安を感じたSIGMAのCP+2025でした。

BFハンズオン空間の中央におかれたBFの制作工程。アルミニウムインゴットからの削り出しは伝聞ですが1台につき7時間を要するとか。他社の生産工程は(あまり)知りませんが、それでもこのプロセスは量産メーカーとしては非常識に思います。工場と言うより工房、のイメージというと言い過ぎでしょうか。

そんなことを考えながら見ていたら、山木社長に声を掛けられました。シグマの山木社長にはじめてお会いしたのはこのみんぽすイベントの時だと思うので、もう15年近く昔ですか。その時も一緒に居たクマデジタルさんが、離れたところから写真を撮ってくださいました

(諸事情によりPhotoshop加工しています)
以下、シグマの解説スタッフの方、山木社長に訊いた内容を反映させていますが、ワタシの聞き間違いもあると思うので、正確性は担保されません。予めご容赦ください。

プロトタイプの試作機です、と言われても信じる削ぎ落としたデザインが光るBF。これがBF1でBF2・・と続いていくのか、あるいはBFは文字通りの市販されるコンセプトモデルなのか、そう思う位、異質です。
・上面に動画用ステレオマイク孔があるものの、マイク入力は「ない」
・ホットシューあるいはコールドシューも「ない」ストロボ非対応
・IBIS(ボディ内手ブレ補正)は「ない」
・メモリーカードスロットも「ない」(内蔵ストレージ230GB)
その代わりに「ある」のが圧倒的な質感と佇まい。スクエアなボディですが、上面からみるとトラペゾイド(台形)になっているのが分かります。

ストラップホールは「右肩」のみ。つまり首から下げる一般的な両吊りストラップは非対応で、別売りのリストストラップはあるけれど、ネックストラップはない。

操作性は独特な体系。触ってみると、ああ、筋は通ってるなあと感じるものの、従来の「素早く設定を切り換えつつ、多様なシチュエーションに対応」するものではありません。万能であることに価値を見いださない、とUI自体が主張しているようです。
ちなみに背面スイッチ類はすべて、触覚フィードバックはあるものの、物理的には動かない「ハプティックスイッチ」すごく新鮮でユニークな体験ですが、手袋しててもOKかどうかは訊き忘れました。

左側面にUSB-Cポートがあり、本体充電(給電も)対応。Bluetoothは非搭載なのでスマホに転送等はできませんが、USB-Cでマスストレージクラスとして認識され、写真(動画)データの取り出しは可能。PCレスでモバイルSSD等にバックアップが可能かどうかは不明。転送速度はUSB 3.2だそうです(10Gbpsなら充分ですね)。HDMI変換アダプタを使えば(純正では設定無し)外部映像出力も可能。UVC,UAC対応。
また別売りアクセサリーリストにケーブルレリーズ CR-51とあるので、レリーズ撮影は可能。

CP+での試用機はすべて小さめのレンズだったので不安定さを感じることはなかったですが、グリップのないボディは凛とした美しさと引換にホールディングの安定度を失いそうです。前面(向かって左半分)には滑り止め?のローレット加工が施されていますが、グリップの代わりにはなりません。
そしてBFの大きな特徴は外部拡張性をオミットしていることだと思うので、アクセサリーとしてのグリップは純正はもちろん、サードベンダー(個人工房含め)から出ることも難しそうです。両面テープ貼り付けとか力技は可能だと思いますが、BFの研ぎ澄ましたミニマムデザインとは相容れないように思います。

底面は三脚穴のほかにビデオボス?

バッテリーはダイレクトに差し込む蓋なし構造。bさんが書かれているようにアルミ総削り出しのユニボディなのでバッテリー蓋のヒンジを取り付けることができず、バッテリーそのものが蓋を兼ねる(しかも防塵防滴対応)という大胆な構造。

バッテリーは中間部分に接点のある専用品。Made in Aizu, Japan を標榜するシグマですがバッテリーはインドネシア産でした。

ソリッドなボディですが、右手背面と左手前面は斜めにカットされています。これも何故?と訊けば良かった・・。

山木社長いわく「うちが他社と同じことをやっていたらダメ」という言葉がずっと記憶に残っています。
前述のステートメントにある「The Art of engineering.Engineering for Art.:芸術の域まで技術を高め、技術を芸術に尽くす」にSIGMAの覚悟と唯一無二さを感じる一方、芸術に尽くすための道具としてのカメラが、芸術品に見えてしまうことへの戸惑いもまた、ワタシのなかにあります。
たかがメインカメラ(fromガンダム)と言えるような道具としての愛機、な関係性を理想としているつもりのワタシの中のゴーストが「コレ、いい」と囁くのです・・・。

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