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映画「スティーブ・ジョブズ」試写を見て

Mac Fan の小林編集長に招待頂き、映画「スティーブ・ジョブズ」(原題 JOBS)の業界向け試写会(?)に行ってきた。小林編集長、GAGAの皆さん、ありがとうございました。
でも、感想は正直に(笑)伝記なのでネタバレもなにもない・・訳ではないので、新鮮な気持ちで11月公開をまつ場合はここでブラウザを閉じて頂くのがイイと思います。

伝記映画の宿命とも言える「史実と違う」「人間が描けていない」批判も多いけど、それって相反する要素だったりするので、ここでは書かないし、そこまでアップルの歴史に詳しくないワタシには、なにが実際と異なるのかは分からなかった(Macお宝鑑定団ブログで一部解説がされている)

Macintosh IIci

そんなことより、主人公(主役)がこうも共感できない描かれ方をする伝記映画って、すごく面白いと思った。
JOBSは夢の実現に一途だったかもしれないが、その突っ走り方は支離滅裂で、障害となるものへは容赦なかったのだろう(という描写がされているよね)
友人に平然と嘘の報酬額をいい(しかも、その際に言い淀みしない)、妊娠したガールフレンドに平然とオレの子どもではないと言い、創業時の友人を平然と(かどうかは解釈の分かれる描写かな)切る。
その一方で、自己の理想には真摯で一切の妥協をしない。
劇中、誰かに引導を渡すとき、複数の人物が「私情ではない」と言うんだけど、ジョブスは言わない。彼にとって、それが私情であるか合理的であるか、なんてことには意味がないのだ。
ああ、こういうクレージーなオトコが歴史を変えるのだ、と感じさせるあたり、よくできた映画なんじゃないかなあ。

そして、意外にも膨大な登場人物が描けてるように思う。
これは、ジョブスの伝記ではなく、アップルという新天地を争う男達の闘争と愛憎の物語なのだと思う。
影の主役に描かれるマイク・マークラ。その他、アップル好きなら名をよく知った登場人物達は、みな、なにかのために争う。未来のプロダクツを愛するもの、アップルという会社を愛するもの。ボードメンバーが大事にするもの。
そんな愛憎劇なんじゃないかと思った。

ジョブスは偉大な人だと思うし、彼無しにアップルは存在しなかったことに異論はないけれど、彼がアップルを追われ(1985)復帰(1996)する間の11年間に、ワタシは初めてのMacintosh IICX(1989)を買い、QuickTime(1991)が登場したことを過小評価するつもりはない。

いろいろな意味で、とても面白い映画だった。傑作とは思わないけれど、見ないと損。いや、それは本音。

写真はマイファーストMacであるMacintosh IIcx(ハードウエアアップグレードによってIIciに更新したのでci表記)

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