オリンピックイヤーに登場するキヤノン、ニコンの最上位プロ機。どちらもスポーツ、動体撮影には一切妥協のない弩級一眼レフだけど、スチルに振り切って動画はほどほどに留めた感のある Nikon D6に対し、5.5K 60P RAW動画と一眼レフとしては他に類を見ないところに踏み込んだEOS-1D X Mark IIIのコンセプトの違いは今回最大の相違点だと思います。
ワタシは動画系なので、EOS-1D X Mark IIIのRAW動画の仕様について、レビューというかまとめてみる。
5.5K RAWは5472x2886pixel。EOS-1D X Mark IIIのスチルは5472x3648pixelなのでドットバイドットで記録しているのが分かる。そして1DX3のスゴイ所は5.5K RAW動画を描き込みつつ、もう一方のカードにDCI4KのMP4を同時記録できること。
この時、5.5K RAWは12bit。MP4はLog ONの時は10bit H.265/HEVC。Log Offの時は8bit H.264 MPEG-4 AVC。
このRAW動画からD.P.P.(Digital Photo Professional )で任意のコマをRAW現像した上で静止画保存できるのだけど、これ、秒60コマで高速連射できるスチルカメラと考えると凄まじいこと。もちろんローリングシャッター歪みの問題はあるので単純には言えないけれど、そこを割り引いても何分も秒60コマ、RAWが撮れることの使い道はあると思います。
なお、5.5K 60Pの時はAF効きません。30PではAF効きます。
で、そこから1コマじゃ無く、連番で書き出せば5.5K RAWムービーじゃんね、という訳で連番を書き出す方法は、D.P.P.に新設のRAW動画ツールから保存する方法と、D.P.P.から静止画保存する方法があって、うちの環境では処理時間がおよそ20倍違います。このあたりの画質云々は後日、改めてエントリーにしたい。
で、5.5K RAW動画とMP4を同時記録するための設定がちょっと落とし穴だなあと思ったので手順解説。
同時記録はデュアルスロットのCFexpressカード2枚にそれぞれRAWとMP4を書き込むことになります。
ので、つい、振り分け「する」を選択してしまいそうになるのですが、これは「しない」が正解。そして、動画の記録機能から
カード1:RAW、カード2:MP4を選択します。
これを逆に設定することは出来ません。ので、カード1が圧倒的に速くいっぱいになるので、容量の大きなCFexpressカードを充てましょうね。
これがRAW、MP4同時記録時の設定画面です。
もし、動画だけで無く、スチルも同時に撮っていくスタイルの場合は、前述したようにカード1は消費が激しいので、スチルの記録先はカード2に設定しておくのがベターだと思います。
なお、上記はすべてEOS-1D X Mark III実機からの個人的考察なのでどこかに齟齬があるかもしれません。その場合は訂正します。
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