ほとんど予告もなくアップデートされたFinal Cut Pro X。マルチカム編集と放送品質モニタリングは2012年度初めらしい。今後もアップルはFCP Xに細かく手を入れていくのだろう。それ自体は素晴らしいことなのだが、毎度の上方互換のみというのはなかなかシンドイ。
さて、Final Cut Pro 10.0.1の目玉がロール機能。今回はロール機能を検証。
ロール機能は明確なトラックという考え方を持たないFCP Xで、クリップをトラック的に扱う機能(トラックとは異なる>後述)
ちなみに、このロール機能、yamaqさんのGoogle+コメント読むまで完全にRoll(巻物)だと思い込んでいました。Role(役割)なんですね。
だって、フィルムロールのメタファだと思ってたんだもん(と言い訳)
このロール、変更メニューの「ロールを編集」でロール定義を、「ロールを割り当てる」で任意のクリップを(ここポイント)ロールに割り当て(グループ化)することができる。
こんな感じ。
各クリップの同録音声はビデオロールから自動的に分離され、ダイアログロールとしてグループ化される。
今回はビデオクリップを横方向にグループ化したが、これ、トラックとは違うので、上下関係にあるクリップも同じロールに割り当てできる。ただ、そういう使い方をする場合、どのクリップをどのロールに割り当てているか、もっと簡単に確認できる仕組みが欲しいところ。上の図のようにショートカットでロールごとに色分けされるとか。
FCP Xのタイムラインはトラックではないものの、FCP 7同様に上下関係を持つ。つまり上のクリップが上層に位置する。
このポイントでは空撮(ビデオ)のうえにタイトルが乗っている。
このポイントでは空撮(ビデオ)の上にヘリ(ビデオロール2)の画、その上にタイトルがあるので結果的にビデオロール2とタイトルが表示される。
タイトルロールをオフにすると、ビデオロール2のみ。つまり別タイプを作らなくても白完が書き出せる。
そしてビデオロール2をオフにすると、その下に位置するビデオロールが表示され、その上にタイトルロールが乗る形になる。
この辺の一連は、サブロールを作るとより細かく運用できそう。
ここまでは編集時の話だが、書き出し時にロール単位でファイル化できる。
前述のように同録トラックはまとめてダイアログトラックとして書き出される。ステレオ、モノラル、サラウンドが指定可能。
上記のサンプルシーケンスをロール単位で書き出した例。
クリップの無い部分は同尺のギャップとして扱われるため、すべてのファイルは同尺で同期可能。
ここではProRes 422で書き出しているため、タイトルロールにはマット信号は含まれないが、ProRes 4444で書き出せば乗るのだろう(すみません。未検証です)
今回の作例はEF8-15mm F4 Fisheyeで撮った東京上空ヘリ空撮より
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