横須賀美術館で開催中の日本の巨大ロボット群像 ―巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現― を観てきました。横須賀美術館、思ったより遠かったですが、良いところでした。
この日本の巨大ロボット群像 展(公式サイト)は、昨年の福岡市美術館を皮切りに、現在開催中の神奈川:横須賀美術館、香川:高松市美術館、京都:京都文化博物館、愛知、と巡回していくのですが、横須賀は少し違った部分があるように思います(後述)。
なお、図録が売り切れで買えなかった(後日発送で予約はしました)ため、間違った記述をしているかも知れません。その場合は御指摘頂けると嬉しいです。
クマデジタル氏の訪問記(1回目)(2回目)を読んで、これは平日に行かなきゃダメだとタイミングを伺い、3月頭の平日に行ってきました。
実物大ガンダムも、誰の踏み台にならずにフルで撮影できます。*日本の巨大ロボット群像 展は一部を除き、撮影可能です。
ちなみにこのロボット展、「巨大」と付けることでアトムに始まる手塚治虫の文脈を巧妙に(?)避けているのか、>『鉄人28号』(1963年)をロボットアニメの嚆矢として、と公式サイトにありますが、鉄人28号(アニメ版)は1963年10月放送開始で、アトムは同年1月1日放送開始です。
でも、エントランスで待ち受ける(このブログ1枚目の写真)のは、巨大とは遠い等身大のパワードスーツだったりするのですが・・(というか、考えてみたらパワードスーツはロボットじゃないやん)
記念撮影。なお、この奥の壁に展示されているガンダムのデザイン変遷図(ガンボーイからガンキヤノン風を経て最終形に至る)は撮影禁止なので認識できないサイズで。このデザイン画自体は、過去の書籍で幾度も掲載されているモノです。
実写版TNGパトレイバー 98式AVイングラム
1/24スケール 雛形オリジナルモデル 鬼頭栄作氏によるもの
いやあ、楽しい、楽しい。
アーマードトルーパーと記念写真撮ったり、パワードスーツを着た(?)り。
ガンダムもボトムズもそうなように、日本の「ロボットアニメ」デザイナーとしては大河原邦男氏の文脈と、ロボットと言うより「メカデザイナー」としてのスタジオぬえの文脈があると思うのですが、今回の展覧会はあきらかにスタジオぬえ、の文脈に沿っているもの。
だから?ロボットの出てこないゼロテスターや宇宙戦艦ヤマトも展示されています(ヤマトにはアナライザーというロボットが居るじゃん、というツッコミはあると思いますが、あれは巨大ではないし、スカート捲ったりするし)。
巨大、ではないけれど、日本のロボットアニメ(特にリアル系)すべての源流ともいえるハインラインの「宇宙の戦士」におけるパワードスーツの挿絵とデザインは、スタジオぬえの加藤直之氏、宮武 一貴氏を抜きには語れない。宮武 一貴氏は横須賀出身、在住で、この展覧会にも大きく関係。
スタジオぬえの実現しなかった企画「機甲天使ガブリエル」
右は私物のスタジオぬえメカニックデザインブック(1990)に掲載された機甲天使ガブリエル
THE ビッグオー ってロボットアニメだっけ?
ラムダはロボットですね。今回の展覧会、貴重なジブリもの。
個人的に大好きなジャイアントロボは、鉄人28号に較べて小さな扱い。
日本の巨大ロボット群像 展と、横須賀市の「メタバース ヨコスカ」のコラボ企画、戦艦三笠の巨大ロボット化、みかさロボ も宮武一貴氏のデザイン。
横須賀美術館は初めてだったのですが、とても気持ちの良い美術館でした。今回、日本の巨大ロボット群像 展が行われた展示室の他に
谷内六郎館という別館があり、谷内六郎氏の描かれた週刊新潮の表紙画を年4回展示を替えながら紹介しているそうです。
平日で空いているのを狙ったけれど、雨でこんな情景。
ただ、この風景を見ながら食事の出来るレストランが併設されていています。海を行き交う大型船や軍艦を観ながら
とても美味しい食事と、特にデザートが絶品でした。
ミュージアムショップで買ったお土産。
機動歩兵のキーホルダー。Tシャツ。
ジャイアントロボのポストカードに、宮武 一貴原画展 記念ポストカードセット。この宮武 一貴氏のポストカードは日本の巨大ロボット群像 展のグッズではないようで(日本の巨大ロボット群像 展グッズページ)もしかしたら、横須賀オンリーかもしれません。
中はこんな感じ。
という訳で、美術館の展示、というには、体系化がなされていないようにも思いましたが、楽しめたのは確か。
いつか届く図録で追体験するのが楽しみです。
–Ads–