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宇宙戦艦ヤマト2199 艦艇精密機械画集 弐が届く。
昨年夏、刊行されていた 宇宙戦艦ヤマト2199 艦艇精密機械画集の第2集。
第1集で掲載されなかったガミラス艦艇を中心に構成されたメカニック画集。
なんだけど、画集と言ってもイラスト集でも原画集でもなく、ディテールアップ作画集という特殊なマニア本。
ヤマト2199は艦艇はすべて3DCGで制作されている今風のアニメだけど、そのうち留め絵の部分に手作業でディテールを加える手法を取っているのは昔、書いたけれど、そのディテールアップされた画をチーフメカニカルディレクターの西井正典氏の解説とともに掲載しているある意味、メイキング本?。
サンライズD.I.D.からあがってきたカットに、メカニカルデザインの石津泰志氏、玉盛順一朗氏がディテールアップデザイン画を起こし、それを原画に起こし、デジタルセルをオーバーレイしてさらに馴染ませるエフェクトを足し、と、おいおいと思うような作業フロー。
GUNDAM CENTURY(1981年発行)が、モビルスーツに各種の設定を与え、作品の世界観を構築する楽しみ方を提示したとすれば、この艦艇精密機械画集は作品の持つ世界観と設定を画面に定着されるためになにをしたか、どうしたか、の記録集。
テレビシリーズと劇場版でモデリングを変えた部分の記述等あって楽しい(こういうのを楽しいと思うほうが少数派かも)
手描き(作画)かCGによる作画か、なんて時代は終わっていて、CGと手描きのハイブリッドな時代になっているのだろうか、
ヤマト2199ではFIX(スライド含む)カットのみへのレタッチだけど、甲鉄城のカバネリでは動画へのレタッチ(メイク?)も試行されているらしいし。
そしてこの画集の表紙も同じ考え方で制作されているらしい。
なるほどなあ。
手描きイラストに見える表紙(これは画集 弐でなく最初の刊の方)だけど、元画は3DCG。それをトレースするのではなく、あくまでPhotoshopとPainterによるレタッチ。その意味ではハーモニー処理とは違うアプローチの手法。
「神は細部に宿る」という言い方(本書の帯にもある)は時に森(物語)より木(設定)に拘りすぎる弊害もあると某作品なんかみてると思うこともあるのだけど、それでもこのコダワリが世界観を支えていることも確か。
巻末の対談にある「ヤマトだから仕方ない」って言葉がその象徴か。
その重要な一翼を担った西井正典氏だが、後書きを読むとこれでヤマトとの係わりは終わるように言っている。本書の出版が宇宙戦艦ヤマト2202の制作が発表されたあと、というのを考えると、西井氏は続編には関わらないとも読めるのが気になるところ。
もともと「さらば・・・」を筆頭とするその後のヤマトシリーズは、その物語として地雷すぎると思っているのだけれど、公式サイト(といっても1枚だけだけど)の画は小林 誠氏だし、監督は出渕 裕氏ではなく羽原信義氏、脚本は福井晴敏氏と一新されているのもちょっと不安。
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