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CFexpressスロット搭載プロ現場型ドック:OWC Thunderbolt Pro Dock

OWCの Thunderbolt Pro Dockがフルモデルチェンジ、CFexpressカードスロットとSDXCカードスロットを搭載し、さらに10Gb Ethernetポートを持つ、高速なI/Oを特徴とするプロの撮影現場に特化したドックとしてブラッシュアップされました。
必ずしも一般向けとは言えない仕様ですが、ワタシの知る限りドックとして初めてのCFexpressカードスロットを筆頭にした尖った製品に仕上がっています。

OWC Thunderbolt Pro Dock公式製品サイト
このエントリーはOWCよりThunderbolt Pro DOCKを提供頂き書いています。ご協力に深く感謝していますが、検証はフェアに行っているつもりです。なお、それ以外の報酬等インセンティブはありません。レビュー内容についてもメーカーチェック等は一切ありません。間違いがあった場合はワタシの責任です。間違いが後から見つかった場合は訂正箇所が分かる形で修正します(誤字脱字の修正を除く)。
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OWCはThunderbolt関連に強く、ドックだけで3製品も現行ラインに展開しています。
・ワタシも愛用しているThunderboltの十徳ナイフ的な万能型、Thunderbolt 3 DOCK
・Thunderboltの分岐が可能なTB4で、HUB的能力を持つ Thunderbolt(4)DOCK
・CFexpressスロット、10Gbイーサを持つ高性能現場特化型 Thunderbolt Pro DOCK
とそれぞれに特徴があり、ニーズの優先度によって選べるのですが、ざっと仕様を比較すると
*先代Pro DOCK(ディスコン)も含めて表にしました。

Thunderbolt 3 DOCKは飛び抜けた部分は皆無ですが、全方向に必要充分な機能を持つ優等生タイプ。この中ではもっとも古いザクみたいな機種ですが、Thunderboltの転送速度は最新機種と遜色なく、いぶし銀のようなポジション。
Thunderbolt(4)DOCKは、なによりTBを分岐できるのが圧倒的で、TBポートの少ない無印M1 Macにベストなソリューション。ただ何故かフロントにPCからのTBを挿さなければいけなかったり、フロントのUSB-Aポートが2.0と遅く、ペンタブやキーボード等ならいいけどストレージには向かないことなど、ちょっと抜けたところもあるかな。
Thunderbolt Pro DOCKは、公式製品ページに「ロケ現場および制作現場の」と謳われているように「高速に取り込み、高速に送信する」に特化した特殊戦型。EOS R5やR3、Z9等のユーザーには超絶頼りになる存在。その分、Thunderboltの分岐は出来ないしヘッドホンも繋げないので、注意。

製品ページには一切、写真がなかったのですが、CFexpressカードスロットにはブルーのカバーが付いています。ちょっとダサイと思ったのですが、あとで意味を知ることになります(後述)

OWC DockEjectorというユーティリティをダウンロードすると、DOCKにマウントした各種デバイスを安全且つ一斉にイジェクトすることができます。
いや、そのためだけに常駐型のアプリなんてインストールしたくないよ、と思ったのですが、これを入れるとApple Super Driveが使えるようになるのですね。USB-Aポートからの電源供給をUSBの定格からMacの仕様に切り替える・・のかと思いますが、詳しくは分かりません。円盤読み書きが必要なひとは必須です。

OWCのドック系の中で唯一、二重天板を持ちます。放熱のためか、現場で小物を気兼ねなく置くためかは不明ですが、先代にあった冷却用ファンは廃止され使用時は非常に静かになりました。同録の現場でも安心して使えます。
天板のOWCロゴマークは、電源接続で白く光り、PCと接続が確立すると青く光ります。男の子ゴコロをくすぐりますが、デイマー機能は無いので光らせたくない場合はパーマセル等を貼ることで対応します。

サイズ。参考比較はiPhone 12 Proです。カメラバッグに入れて持ち運ぶのに問題ないサイズ感ですが・・

本体重量より重いACアダプタ・・・は、昨今の電源供給を要求される機器にあるあるですが、あわせて1.6キロというのは流石にずっしりきます。ちなみにMac mini M1は電源内蔵で公称重量1.2キロです。
なお、Thunderbolt Pro DOCKの製品仕様には重量640gとなっているので、本国では引力が違うのかも知れません(誤植だと思います)。

リアポート
前述したように本機はThunderbolt3 DOCKなのでThunderboltの分岐機能はありません。複数のTBデバイスを繋ぐ場合にはディージーチェーンで繋ぐことになります。
いくつかのUSBおよびThunderboltストレージを繋いで、転送速度を測ってみました。ストレージをMac mini M1に直接繋いだ時と、Thunderbolt 3 DOCK、Thunderbolt Pro DOCK経由で繋いだ時の比較です。

基本的にOWCのドックを経由することの影響はありません。それどころかUSBストレージに関しては、ドックを経由する方が明らかに高速化します。この現象はM1マック登場時から言われていたことですが、その後のmacOSアップデートでも直っていないようですね。
Thunderboltストレージについては、超高速SSD(おそらくM2.SSDをストライピングしてる)だと書込性能が低下していますが、それ以外は実用上の差は出ないようです。(すべて3回実測して平均値をまるめたもの)

Thunderbolt Pro Dock最大の特長と言える(ワタシ的にはですが)CFexpressカードスロット。先代のPro DockはCFastで、それも独自性のある尖った仕様でしたがハイエンドメモリーカードの主流はCFexpressに移り、 Pro Dockもモデルチェンジを機にCFexpressスロットになりました。Type-Bなのでキヤノン、Nikonユーザーに◎でSONYユーザーには歯がゆいかも。SDカードと異なりCFexpressはゲタを履かせる構造ではないですからねえ。

カードスロットの転送速度テスト。動画、静止画混在の10GBのデータをMacの内蔵SSDにコピーするのに掛かった時間(秒)です。基本、2回試行して平均値を記載していますが、Mac mini M1を母艦にしたときのThunderbolt Pro Dock経由CFexpressコピーだけ異様に速いので5回行いましたが、ほぼ同じ数字でした。なんでこれだけ速いのかは謎です。
比較対象に使ったPROGRADE PG05.5はコレです
単独のカードリーダー不要とも言えるカードスロット性能ですが、大きな不満がひとつ

リーダー接点の実装上の制約だと思いますが、SDカードは表裏逆にしないと入りません。いやあ、現場に特化したドックを謳うのに、せわしい中でSDカード「は」逆さまに挿す、ってゼッタイ間違えると思うのですよね。入らずにイライラする自分が目に浮かびます。
いろいろ事情はあると思うのですが、これは多少コストがあがっても逆刺しじゃない作りにして欲しかったトコロ。

さらに、CFexpressスロットとSDカードスロットが上下に並ぶので、SDカードをCFexpressスロットに間違って入れてしまいそうになるんです。ワタシだけじゃ無くOWCもそう思ったからカバーが付いているんだと思うのですが、前述のSDカードスロットが表裏逆なのとあわせてSDカードスロットをずらして並列にレイアウトすれば間違わないのに・・(Thunderbolt 3 DOCKはカードスロットを横に並べるデザイン)

もうひとつ微妙なのが外部映像出力。Displayport1.4は安定性も高いし8K/30P出力も出来るしプロ用仕様としてはいいのですが、本機はOWC自ら「ロケ現場および制作現場の」と謳うようにポスプロよりフィールドをメインとした機器だと思うのです。
だとしたらNINJAとかVideoAssist等のモニターレコーダーと接続性の良いHDMI一択だと思うんだけどなあ。
写真のモニターは公称2500nitのHDRPQ対応モニターBlackmagic Video Assist 7” 12G HDR、サイズは小さいけれど色味ではリファレンスとなり得るフィールドモニターですが、入力はSDIもしくはHDMI。こういうフィールド機器との親和性が大事だと思うのですね。現場特化型は。

最後に想像以上に有効だった10Gb Ethernetについて。他社を含めDOCKとかドッキングステーションと呼ばれる製品はイーサネットポートを持っていても1Gbなのが通例。EthernetポートをなくしてしまったMacBook等では接続の安定した有線を得られるのはメリットでしたが、デスクトップ機では使わないドック機能の筆頭になっていたと思います。
それが10Gbポートを搭載したら・・・

Mac mini M1の場合

MacBook Air M1の場合

圧倒的じゃないか、我が軍(家)は・・・と呟きたくもなる数字です。自宅のネットワークは去年、オンライン授業対応のため導入したauひかり。10ギガ契約でホームゲートウエイAterm BL1000HWにひとつだけ10Gbポートがあるので、普段はMac Pro 2019に繋いで他の機器は1Gbの有線か、5GのWi-Fi。
これを見るとMac mini M1も10Gb有線で繋ぎたくなりますね。ほかに10GbEthernetをもつTerraMasterのNASも運用しているのでホームネットワークを10Gb化を再始動しましょうか。

という訳でOWC Thunderbolt Pro Dockは、CFexpressカードを運用しているひと、10Gbネットワークを利用可能なひとには超絶お薦めのハイエンドドックです。一方でヘッドホン端子も持たず、Thunderboltの分岐も出来ないので、全方位的に使うには注意が必要です。長引くコロナ禍でテレワーク環境をもう一段引き上げる計画のあるユーザーには心強いDOCKになるはず。

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