まだ試用を初めて3週間足らずではありますが、年を越さないうちにエプソン EP-10VAの良かった部分、不満な部分をまとめておきます。
比較対象は今年リプレイスした自宅プリンタ キヤノン ピクサス TS9030。価格帯も製品の狙いも違う(EP-10VAが5割ほど高価い写真愛好家向け製品、TS9030はリビングでオールインワンとして活躍する全方位型ファミリー機)のですが、一眼レフユーザーなら迷う所だと思います。
なお、このEP-10VAは12月頭に行われたエプソンのColorio V-edition ブロガーイベントに参加した特典として1月末までお借りしたものです。プリンタ(クリスピア用紙50枚など含む)貸し出し以外の報酬はありません(関係性の明示)。
家庭においてはこの大きさの差はけっこう大きい(掛けてます)。リビング等で馴染むデザイン、質感を狙うTS9030と無骨なEP-10VAは家族の目の冷たさにかなりの差があるのは事実(うちではEP-10VAのリビング設置は許可されません)。
サイズだけで言えばEP-10VAの姉妹機EP-30VAはほぼTS9030と近いサイズになっていますが、見た目の圧迫感はやはり差があります。
ただし、EP-10VAとTS9030で幅10cmの差があるものの、その代わりA3プリントが可能というのは大きなアドバンテージだと言えましょう。例え、滅多にA3プリントなんかしない、としても、です。
その一方、プリントはA3可能でもスキャナとしてはA4まで。それ以上のスキャンは複数スキャン→合成が必要になるのは同じです。
動作音はEP-10VAのほうがウルサいというか、耳につく感じ。TS9030のほうが全体的におとなしい印象。
自宅プリンタ TS9030、今回お借りしているEP-10VA、姉妹機EP-30VA、そしてエプソンのファミリーライン EP-879AWをスペックだけで比較するとこうなります。
サイズ、印刷コスト等の仕様についてはメーカー公称値。価格は12/30朝現在のヨドバシドットコムでの実売価格。
TS9030のみブラックの顔料インクを併用していて、文字のシャープさで有利です。とくに実際によく使う「コピー用紙への書類印刷」といったテキスト主体のプリントではアドバンテージも大きいと感じました。
にもかかわらず、TS9030はA4をカセット(下用紙トレイ)に入れるとトレイが本体から飛び出すというデザインにがっかりしたのも事実。
家庭用プリンタを標榜するなら、主はA4プリントと年賀状印刷でしょ・・。そう、その年賀状(ハガキ)プリントでも。
TS9030のハガキ印刷時。
背面の給紙トレイを使います。そして「ハガキは背面トレイしかセットできません」。
前面トレイ(TS9030は1段)はA4は(トレイが本体から)はみ出る一方、ハガキは運用できないという、どこが家庭用なの?と突っ込みたくなる仕様なのです。
この奥行きではハガキを折り返す機構が入らなかったんだろうなあと思います(用紙も普通紙のみで写真用紙はサポート外)が、それは「見た目のデザイン」が「使い勝手のデザイン」より優先されてしまった、ってことだと思うのです。
EP-10VAのハガキ印刷時。
背面の給紙トレイも使えますが、前面のトレイ(EP-10VAは2段)もハガキ運用ができます。しかも2段のトレイのどちらにもハガキをセットすることが可能なので、両方ともハガキを入れると60枚の連続給紙が可能です。
(用紙トレイの自動選択時)
率直に言って、製品デザインとして優れているのはEP-10VAだと思います。TS9030のルックスはとても好きなのですが、そこが優先されすぎた感が拭えません。
なお、エプソンのファミリーライン EP-879AWも前面トレイでのハガキ運用が可能ですが、今回比較した機種の中ではいちばんランニングコストが高いことに留意する必要があります。
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