Mac Proを除き、すべてのMacintoshがThunderboltポートを持つ時代、2012年8月上旬現在、量販店や通販で買いやすく、かつコストパフォーマンスの高い外付けHDDというと最有力候補はWestern Digital My Book Thunderbolt Duoとなる。
AUGM鹿児島にあわせ各社のThunderboltドライブをテストしたレポートはこちら。
それをあわせて御覧頂きたい。
Western Digital My Book Thunderbolt Duoは2台のHDDを内蔵し、出荷時にはRAID 0(ストライピング)で構築されている。
その状態での速度(MacBook Pro Retina)は210MB/s前後。
付属のユーティリティソフトでミラーリングやJBODへのフォーマットが可能。AUGM鹿児島では同機を2台使って4発をRAID 0でフォーマットした速度も見せた。それらの再計測は後段で。
My Book Thunderbolt Duoと兄弟デザインのMy Book Studioと並べる。My Book Studioは現在のところFireWire版しか出ていない。(以前書いたエントリー)
この両者は単にシングルドライブとデュアルドライブの違いに見えるが、実はかなり違う。
My Book Studioは筐体全部、アルミによる金属エンクロージャであるのに対し、Western Digital My Book Thunderbolt Duo はプラスティック筐体。
My Book Studioはアルミによる放熱性を謳っているが、My Book Thunderbolt Duo はファンもなしに対流放熱のみ。ドライブの発熱対策がどうなっているか気になるので、ばらしてみる。
金属筐体のMy Book Studioは基本的にはばらせないが、My Book Thunderbolt Duo はユーザーによるドライブ交換を可能にしている。
まず上面のカバーを開け
金属製の中カバーを開けると、ドライブが見える。
間にベアドライブひとつ分の空間をあけて配置されているふたつのHDDは、ウエスタンデジタルのGreenPower Driveのみを使用する旨の注意書きが貼られていた。
WDのグリーンドライブは低消費電力、低発熱がウリのドライブらしい。資料にも回転数の明記がないので判断しにくいが、速度重視よりはC/P重視と解釈すべきだろうか。
このドライブは簡単に着脱できた。
高速なドライブに換装すれば、さらなるパフォーマンスアップが期待できるが、GreenPower Drive Onlyの意味が発熱対策にあるなら、安易に高速ドライブにすればいいって話ではなさそうだ。
冷却装置を組み込んだシリーズとか出ないかなあ。せっかくHGSTを傘下に収めたのだから、そういう製品もありだと思うのだが、それこそそこはG-Techの役割と割り切ってるのだろうか。
My Book Thunderbolt DuoをJBODでフォーマットしたときのベンチマーク。
これがディスク1台のときの値とみて大きな間違いは無いと思う。
シングルドライブのMy Book StudioをFireWireでつないだときより1.5〜6倍の速度なので悪くない値だが、バッファローのThunderbolt HDD HD-PATU3が同等の数字であり、さらに同ドライブの場合、USB3.0でも同等の数字が出ていることもあわせれば、わざわざコスト高なThunderboltにするメリットは薄い。ウエスタンデジタルがRAIDのモデルからThunderbolt対応させているのは、そういう意味なのでは無いかと勝手に思っている。
メーカー推奨の使い方ではないが、My Book Thunderbolt Duoを2台、計4発のRAID 0を構築した際のベンチマーク。これは気持ちよく倍の数字。
このことからも、Thunderboltの規格としての素性の良さが垣間見える気がする。カッパーではない光接続としてのThunderboltへの期待もあるが、現状ではThunderboltHDDのボトルネックはストレージだ。SSDなり多発RAIDがその解だろうが、C/PではHDDによる多発RAIDの優位性は当分揺るがないように思う。
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