洗車したばかりなのにクルマがうっすら汚れているなあと思ったら、どうやら花粉らしい。室内でも花粉にハウスダストに、我が家はタバコも吸わないのに空気清浄機が必要だ。空気清浄機は有名無名メーカー問わずたくさん出ているし、ナノXXやXXXXクラスターといった機能を謳うものもあるけれど、相手が空気だけに汚れも効果も目に見えないのが難点。
ダイソンの新型 Dyson pure cool (2018モデル)は、機能、性能の向上とともに、いままでプラセボ効果的なところもあった空気清浄について、可視化(見える化)を実装した空気清浄ファンです。
デザインは同社従来機を踏襲(サイズは微妙に大きくなった)しているけれど、内部構造はかなり変わっています。側面から風を出すスリットを新設し、風の吹きだす方向を制御する仕組みとモーターを搭載、フィルターを2層式に変更など。
このエントリーは、ダイソン株式会社よりレビュー用製品の提供を受けています。ただし、内容についての要望はなく、公開前に事前確認もありません。公開後、事実誤認や間違いが有った場合、修正し、修正箇所を明示します(誤字脱字の修正を除く)。
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今回の新型を象徴する本体ディスプレイ。動作モードだけでなく、高性能化されたセンサーが得た情報を表示することで「空気の状態の可視化」を行う存在。表示部自体はスクエアだけど、実際の使用時はそこが黒になって情報を表示するため、丸いディスプレイに見えるのも上手いと思います。
このエントリーは、ダイソン ピュアクールについて
・新しいフィルターまわりとデザインについて
・空気の可視化(見える化)ディスプレイについて(動画あり)
・新しいディフューザーモードについて(動画あり)
・自宅で使っているA社空気清浄機との比較
・A社空気清浄機との動作音の比較(動画あり)
の順で書いていきます。
本体とフィルターカバー。フィルターの仕様が変わったものの、外観からは従来機と同じ意匠で、正面から見ると中央にあるディスプレイがほぼ唯一の違い。このデザインの一貫性は良いと思います。とくに今回、丸型のモデルも復活したし、ダイソンの扇風機アイデンティティが繋がっていると思うのです。
前面。エッジに沿ったスリットが送風口なのは従来と同じ。
後面は丸く処理されています。
この円形の上端部、ついここを持って(設置位置を)動かしてしまいがちですが、取説の注意事項に
「円形パーツを持って持ち運ばないで下さい。円形パーツはハンドルではありません」と書かれています。ただ、ここ持たない場合、一気に持ちにくくなるのが難点ですね。
空気取り入れ口はパンチングメタル風ですごく好きなデザインですが、フィルターカバーともども樹脂です。
前モデルまで一体構造だったフィルターは2層式になり、従来同様のグラスHEPAフィルターに独立した活性炭フィルターが加わりました。
活性炭フィルター本体側に装着します。
従来同様のグラスHEPAフィルターと書きましたが、発表会に行かれた村上タクタさんの記事によればHEPAフィルター自体は増量されているらしいです。HEPAフィルターはカバー側に装着。
家電然とした空気清浄機が多い中、この見た目はかなり好き。まあ、そこ(デザイン)に興味ないという方も多いので、そこを過剰に評価するのも良くないとは思いますが、個人的には見た目「だけでない」デザイン家電の代表だと思うのです。ダイソンは。
電源を入れると表示されるディスプレイ。スクエアな画面をデザインで丸い表示窓に見せるのがワタシにはとても◎。
コントロールは付属のリモコンと、iPhone Androidからアプリで行える。
iPhoneはiPhone 7 Plusなので大きさの参考に。WiFiとBTで接続します。
MACアドレスの割り振られた空気清浄機という時代が来るとは思わなかったです。
Dyson Linkアプリをダウンロードし、iPhoneとDyson pure coolを繋ぎます。
その際、メールアドレス等を入力し、アカウントを作る必要があるのですが、Dyson pure coolのシリアル番号も自動で取得し、のちにシリアル込みでユーザー登録のお知らせがメールで届くのにはちょっと驚きました。
そしてiPhoneとペアリング。
iPhone(スマートホン)がリモコンとして使えるようになります。
このダイソンリンクアプリが行えるのはDyson pure coolのセンサーが取得した部屋の空気環境のモニタリングと。
リモコン機能、そして蓄積したデータの表示。
冒頭に書いたように空気清浄機は見えない空気を扱うだけにその効果を意識しにくいもの。もちろん他社にも空気が汚れたら赤、清浄したら青、になるランプなどがあるのだけど、そのエビデンス(というと大袈裟ですが)は機械の自己申告に過ぎなかった。
もちろんこのDyson pure coolも自分で計測しているので自己申告ではあるのだけど、それを個々の数値で可視化してみせるところに大きな特徴があると思うのです。
本体表示窓の表示例。
ちなみにファームウエアのアップデートもネット越しにDyson pure coolが自分で行います。近未来的だなあと感心する一方で、年配者(あれ、自分もか)など、なにやってるのか分からず不安になるひとも一定数いそうです。
さて、前面からみると従来モデルとデザイン上の差が見えにくいDyson pure coolですが
側面に新設されたスリットがディフューザーモード用の吹き出し口。
内部で送風方向をコントロールし、ディフューザーモード時はこのスリットから、斜め後方に風を送り出します。
リモコン操作画面でのイメージ図。これにより直風にあたることなく、空気清浄やサーキュレーターとして使うことが可能。
では、このモードによって動作音が違うのか、も試してみました。
ちなみに、ダイソンの取説によると就寝時用の「ナイトモード」では、風量が1〜4に自動設定され(オート設定時)、静音運転を行うとなっています。
そこも意識してご覧下さい。
撮影は本体から5〜60センチ離したところから撮影、録音レベルマニュアル(当然AGC等オフ)でそれぞれ録って編集。
たしかに風量1〜4までとそれ以降では音のレベルが違うのと、6以降ではモードによる音量差も生じています。ただ、マイクにはウインドスクリーンを付けているものの、直風による影響もあるかもしれません。
いよいよ自宅で使っている他社製空気清浄機との比較をしてみます。
国内大手A社の安価な空気清浄機なので、こちらが不利なのは承前として、参考値としてご覧下さい。
ちなみに昨年2017年モデルで購入時は1万円台後半、いま、見たら1万円代前半。12畳モデルです。
まずはDyson pure coolのセンサーで計測し、家の中でいちばん空気が汚れていた(笑)書斎(それでもきれい評価でした)で、A社の空気清浄機をオートモードで30分動かしました。
開始時:粒子状物質(PM10)が一目盛、粒子状物質(PM2.5)が 17μg/㎡
30分後、粒子状物質(PM10)がゼロ目盛、粒子状物質(PM2.5)が 11μg/㎡
さらに10分動かしても変動がなかったので、ここでA社空気清浄機をオフにし、Dyson pure coolをオンにしました。
30分後、粒子状物質(PM10)がゼロ目盛、粒子状物質(PM2.5)が 2μg/㎡
この後は変化なし。
Dyson pure coolのセンサーによる測定値を信じるなら、というエクスキューズはつくものの、PM2.5クラスの微粒子物質(バクテリアやアレルゲン)の除去には確実な効果があると感じます。
では、そのA社空気清浄機とDyson pure coolの動作音を比較してみましょう。
ダイソン、昔のサイクロン掃除機、うるさかったですよね(笑)
音の質(たち)は個人によって感じ方が異なると思いますが、音量という意味ではダイソン、がんばってるなあ、という印象です。
最後に細かな部分として
リモコンは従来モデルと同じデザイン、マグネットで本体上部にくっつきます。
が、外れて無くなりやすいと家族には不評です。
リモコンは小さいのにACアダプタが大きい(笑)のと、写真で見てわかるようにプラグに対して縦型なので、床近くのコンセントソケットの下段だと付けられないことがあります。
といった小さな不満点は残るのですが、花粉、ハウスダスト対策に大きな効果と、その効果を可視化するDyson pure coolはとても満足度が高く、従来モデルの「空気清浄機能付きファン」から「扇風機、サーキュレーター機能を持つ空気清浄機 兼 空気環境モニター」になったのだと感じます。
まあ、花粉の時期が終わろうとするいま、コレを出してくるダイソンは「空気読めない」気もするのですが・・・。