Western Digital(ウエスタンデジタル)は、HDD(ベアドライブ)製造メーカーでありながら、ケースに入った外付けHDDも多数リリースしている。そして、その外付けHDDは以前からMacを前提としたシリーズも熱心に展開するMacシンパな(?)メーカーである。
Thunderbolt RAIDであるMy Book Thunderbolt Duoもいち早くリリース(レビューはこちら)していたが、IFA2012で発表、日本では9/21(奇しくもiPhone 5発売初日)のリリースとなったその高速版 My Book VelociRaptor Duoのレビュー。
日本での発表は遅くなったが、ウエスタンデジタル社の好意で、ずっとMy Book VelociRaptor Duoのテスト機をお借りしていた。ベンチマークを含め、使用した印象を書いておく。なお、ウエスタンデジタル社からはレビュー用のMy Book VelociRaptor Duo(2台)を長期に渡りお貸し出し頂いた以外の利益供与はない(評価機も返却)ことを明記しておく。
My Book VelociRaptor Duoは既発売のMy Book Thunderbolt Duo(GreenPower Driveを2基、RAID 0でストライピング構築)の筐体を流用しつつ、10,000RPMの高速ドライブ x 2構成にして、更なる高速化を図ったモデル。
WD社の狙い(コンセプト)としては、
・SSD並の高速
・HDDの大容量
・それをHDDの価格帯で実現
だという。
その謳い文句の通りの性能が出ているかがポイントだろう(ベンチマークは後述)
筐体は前述したようにMy Book Thunderbolt Duoを流用。ただし、ボディは質感の高いブラックになっている。My Book Thunderbolt Duoの外観およびレビューはこちらを参照。
ポートもThunderboltがふたつという部分は変わらないが、
My Book Thunderbolt Duoでは別売りだったThunderboltケーブルが1本、同梱されている。
Thunderboltケーブルは未だかなり高価なので、これはポイントが高い。
ACアダプタも大型のものになっている。(プラグ部は日本仕様に交換可能。パーツが同梱されている)
筐体はMy Book Thunderbolt Duoと基本同じなので、上面カバーを開いてドライブベイにアクセスすることが出来る。
あれ?My Book Thunderbolt Duoと違うじゃん、と思ったら、My Book VelociRaptor Duoは2.5inch HDDを使っていた。
あ、そうか、VelociRaptorドライブって、2.5inchしかないんだっけ。
VelociRaptorは最大で1TBのものしか現状は存在しないので、本機はそれを双発で積んで2TB。
すでに6TBモデルが存在するMy Book Thunderbolt Duoとは結果的に棲み分けることになる。
JBOD(それぞれ単体のHDD2台として設定)でこのくらい。
ストライピングモードのMy Book Thunderbolt Duoに近い数字が単体のVelociRaptorで出ている、これがVelociRaptorの強さだろう。
ちなみにミラーリング設定にすると若干速度が低下する。
My Book VelociRaptor Duoの基本モードであるストライピング(RAID 0)
ハードディスクを使った双発RAIDでこの速度は個人的に見たことがない。
前回、My Book Thunderbolt Duoを2台、計4発のRAID 0を作ったが、今回もMy Book VelociRaptor Duoを2台使って、4発RAIDを組んでみた。
VelociRaptor の素性を褒めるべきか、Thunderboltの素性を褒めるべきか悩ましいが、どちらにせよ期待に違わない圧倒的な高速性をみせてくれる。
SSDを使ったRAIDに対し、容量/価格で大きなアドバンテージを感じる結果だ。
ただし、MacBook Pro Retinaで長時間、Final Cut Pro X使用していると、かなりうるさい動作音を発生するのが物理的駆動部をもつHDDらしいところ。
前述のように、2.5inchのVelociRaptor を使う以上、当面、これ以上の容量は望めないので、安価で高速、大容量なMy Book Thunderbolt Duoか、そこそこのコストで超高速なMy Book VelociRaptor Duoかという認識で良いと思う。
なお、発売は9月28日かららしい
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