プロ向けからエンタテインメント向け、ゲーマー向け、それぞれの特性に合わせた幅広いモニターラインナップを持つBenQのなかでPDシリーズはプロフェッショナルなデザイン用途に向けたモニター。その中でも中核なポジションのPD2705Uはプロの要求に応える性能の向上と、使い勝手の向上で大きく実用性を増した最新のプロデザイナー向けモニターです。
このレビューはBenQ社から同製品(PD2705U)の検証機をお借りし、約1か月に渡り使用した印象を元に書いています。レビューは同社に感謝しつつもフェアな視点で書いているつもりです。間違いが有ればワタシの責任です。事実誤認や間違いがあれば修正し修正点を明記します(誤字脱字の修正を除く)。
このブログにおける【AD】【PR】【SP】等 表記と運用ポリシーについてはこちらをご覧下さい。
PD2705Uは程よい大画面とワタシが呼ぶ「27型4K」モニターです。31型(inch)だと普通のデスク環境には大きいし、一方、イマドキの仕事だと4K解像度はある方がゼッタイいい。そんなバランスのモニターですが、今回驚いたのがデザイン。正面から見るとフロントベゼルにはなんのボタンもなければ、メーカーロゴも入っていない、非常にシンプルなデザインになっています。
これまでもBenQロゴは本体色と近いグレーで目立たないように入っていましたが、PD2705Uではそれすら無くしています。(スタンドの台座にロゴが刻まれています)作業に集中するときに、視界に入る余計な要素はない方がいい、に決まっているのですが、それを実際に製品に反映させる姿勢に感心します。
フロントに操作ボタンがないと使いにくいのでは?と思ったりしますが、PD2705Uは背面下部にボタンとジョイスティック型のインターフェイスを持ち、OSD(オンスクリーンディスプレイ)を見ながら操作する仕組みになっています。
さらにPD2705Uには上位機で採用されているOSDコントローラー、ホットキーパックG2が搭載され、手元から全ての設定操作が可能になりました。これは操作性において圧倒的な使いやすさを実現します。これは先代にあたるPD2700Uには無かった機能です。
さきほど書いたようにPD2705Uには先代とも言えるPD2700Uというモニターがあります。ともに27inch4Kのプロデザイナー向けモニターですが、外観デザインも一新されたばかりで無く、機能や性能もブラッシュアップされています。
濃いブルーが(ワタシの観点で)大きな差、薄いブルーがやや差がある部分です。
従来、ハイエンドモニターの象徴だった輝度ムラ補正および均一ユニフォーミティが実装されました。これはプロのモニターとして大きな安心感と機能性を感じさせる部分です。色域が1%下がっているのが気になりますが、この違いはワタシが見ても分からないと思います。ムラ(ユニフォーミティの無さ)は分かり易いですが。
HDR10が明示的にサポートされたのも大きいです。
mini Display Portが無くなり、代わりにトレンドでもあるUSB Type-C入力が搭載されました。PD2705Uからの65W給電もサポートしているため、ノートPCとUSB-C接続した場合は(ノート側に)電源も不要になります。
MacBook ProをPD2705UにUSB-Cで繋ぎ、さらにモバイルSSDをUSB-C接続してその中のFinal Cut Proプロジェクトを4K再生している写真。ケーブル1本で電源も映像音声も繋がるのは実用性も大きく向上します。
さらにPD2705Uは側面にUSB-C、USB 3.1、ヘッドホン端子を持っているので、モニターを簡易的なHUBとして使えるのも◎です。
リアパネルの端子群。KVM機能のペアリングについての関係図が貼られています。
本格的なKVMスイッチ機能(PC切換機能)については次回のレビューで紹介します。が、せっかくならKVMペア図だけでなくポートのアイコンもカラー表示して欲しかったな・・。
BenQの色精度レベルの最上級を示すAQCOLOR仕様のモニターだけに、その色再現性は高度に保証されています。それは工場出荷時に全台キャリブレーションテストを実施してクオリティを担保できる個体のみを出荷していることからも伺うことができます。
モニターは容易にピボット(回転)させて縦位置モニターとしても使用できます。前述のフロントベゼルにメーカーロゴやボタンのないミニマムデザインはこの時も大きなメリットになります。
左:通常の4K映像(16:9)再生時。 右:縦位置動画(9:16)再生時。
モニターを単に回転させると表示も倒れるだけなので、システム環境設定からPD2705Uの表示を90度回転させます。
デジカメWATCHの記事によれば、PD2705U(27型)8.9万前後、31.5型のPD3205Uで11万円前後らしいです。
この品質と色精度、そして使い勝手で、この価格帯というのは実用機として高いコストパフォーマンスを実現していると思います。
次回(3月中旬予定)はKVM機能はじめ、使いこなしと応用について紹介する予定です。
–Ads–