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OWC 高速なCFexpressカードとThunderboltリーダー発売:ATLAS ULTRA / FXR

全メーカーがそうじゃないけれど、ハイエンドカメラでは標準になりつつあるCFexpressカード。これまでMacを中心にPC周辺機器を製造販売してきたOWCがデジタルカメラ関係に参入、高速なCFexpressカード、SDXCメモリーカード、カードリーダーをリリースしました。
今回、Atlas Ultra CFexpressカードAtlas FXR CFexpressカードリーダーをレビューします。

・EOS R5の8K RAW動画の記録
・転送レート実測
・10GBデータの転送にかかった時間
を、わたしの使っている他のCFexpressカード、リーダーと比較しました。

なお、レビューにあたりAtlas Ultra CFexpressカード(165GB)、Atlas FXR CFexpressカードリーダーの提供を受けています。それ以外の報酬(ギャランティ等)はありません。また、レビュー内容の指示、事前チェック等もありません。OWC担当者には感謝をしつつも、レビュー内容はフェアなつもりです。内容に誤りや事実誤認があった場合、修正の上、変更箇所を明示します(誤字脱字の修正を除く)。
これらの運用ポリシーについてはhttps://mono-logue.studio/policyをご覧下さい。

ワタシは2020年はじめにSandisk Extreme PRO 128GBを買って、以降、ProGrade COBALT一択で、カードリーダーもプログレードのものを買うなどProGrade に信頼を置いていますが、果たしてOWC ATLASはそれを上回る性能を見せてくれるでしょうか。

ちなみにAtlas FXR CFexpressカードリーダーはThunderbolt3でMac(PC)と繋がります。転送速度に大きなアドバンテージを期待したいところです。プログレードデジタルにもかつてはThunderbolt 3専用 (CFexpress B)カードリーダーという製品があったのですが、現在は生産完了で手に入りません。
メジャーなCFexpressカードベンダーといえそうなSandisk、SONY、Lexar、Nextorageでも(少なくとも現在)Thunderbolt接続のリーダーが存在しないので、PC周辺機器としてThunderboltデバイスを長く作ってきたOWCの技術の蓄積といえるかも知れません。

乱暴に言うと、スチル撮影時においてはカードの書き込み速度、動画撮影時では保持される最低書込速度、PCへの転送においては読み込み速度が重要です。今回はEOS R5で8KRAW動画を撮影し、メモリーフルまで問題なく記録できるかを試しました。

テストに使ったのは手持ちのCFexpressカード、同じベンダーでも旧型も混じっているので購入時のスペックを記載しています。これらをEOS R5で初期化、8KDCI RAW/30PでRECします。カードフルまで記録できたら合格にします。
ただし、128GBで約6分、165GBで8分弱なので、ProGradeの2枚については10分超えたらOKとしました。試行は各2回。後述しますが、サンディスクのみ4回、行いました。

前述のメジャーどころのCFexpressカードだけでなく、多くのベンダーのカードも最大転送速度は1500〜1700MB/sとなっています(Readですが)。しかし撮影時に重要なのは書込速度、それも最大の速度より、平均あるいは最低書込速度が重要です。特に動画記録ではデータレートを書込速度が少しでも下回ると記録が止まります(実際にはカメラ側のバッファによる補完処理があるかもしれませんが、わたしには分かりません)。
実はキヤノンはEOS R5で動作確認の取れたメモリーカードのリストを公開しています。

このリストの追試のような形になりましたが、今回試した上記のCFexpressカードは、プログレードデジタルのコバルト、OWCのアトラスウルトラは合格。サンディスクのエクストリームプロは4回中、2回、記録エラーになりました。

次に同じメモリーカードをカードリーダー経由でMacに繋ぎ、5GBデータのベンチマークと、10GBの実データ(スチル、動画、混在)のMacへの転送時間を計ってみました。

リーダーは、OWC Atlas FXR CFexpress

ProGrade Digital 【CFexpress Type B/SD】 USB3.2Gen2 ダブルスロットカードリーダー (PG05.5)

サイズの違いはこのくらい。重量はほぼ同じ。(数値はすべて公称値)

プログレードのはCFexpressとSDXCのデュアルリーダーが強みで、OWCのはThunderbolt3による高速転送が強み。ワタシはMacBook Pro(M1)なのでSDXCは内蔵だけど、MacBook Airユーザーはデュアルリーダーのメリットも大きいかと思います。CFexpress専用リーダーとなるOWCはThunderbolt接続の速度差がどのくらい高速かがポイントでした。

それぞれのリーダーにカードを挿入、Blackmagic Disk Speed Testを使って、Mac Pro 2019とMacBook Pro(M1 PRO)でベンチマークを取り、その後、10GBの実データ(スチル、動画、混在)をMacのストレージにコピー、掛かる時間をストップウオッチで計測。ベンチ測定およびコピー時間測定はそれぞれ3回行い、平均値を記載しています。

まずはカードリーダーの違いによる速度差がポイント。
ProGrade DigitalはUSB3.2 Gen2だから10Gbps
OWC Atlas FXRはThunderbolt3なので40Gbps

理論値なので実際とは違うとは言え、ベンチマークおよびコピー速度に明確な差が出ています。コピー速度はコピー先SSDはMacBook Proの方が高速なSSDなのにも関わらず、Mac Pro 2019の方が速いのが面白いです。受け先のストレージ速度が充分なら、途中の道路が速い(太い)方が効く、というやつですね。
とはいいつつ内蔵SSDの速度は関係しないベンチマークでもすべからくMac Pro 2019の方が速いのはなんででしょう・・? 特に書込性能に大きな差が出ています。OWC ATLAS FXRではMac Pro 2019とMacBook Proで書込速度がほぼ半減になるのが気になります。これ、計測間違いかと思って再試したのですが、同じ傾向でした。
理由が分かる方が居たら御指摘頂ければ幸いです。

オマケですが、iPad AirがUSB-Cポートになったので、カードリーダーを直接繋ぐことができ、このように写真や動画を読み込んだり

DaVinci Resolve for iPadで編集やカラーグレーディングができるようになりました。

この辺の使い勝手は折を見て別のエントリーに。

という訳で、OWCのAtlas Ultra CFexpressカード、Atlas FXR CFexpressカードリーダー。
カードはProGrade Digitalのコバルトと同等のトップクラスの性能、リーダーはThunderboltのアドバンテージを活かして1.5倍以上(今回のテストでの)MacBook Proではほぼ2倍、高速に転送できる結果でした。
まあ、実売価格もThunderboltゆえか2倍以上違うので、その速度差に価値を見いだせる場合は、というエクスキューズはついてしまいますが・・・。でも、650GBのATLAS ULTRA CFexpressカードをフルに録画した場合、計算上はAtlas FXRだと7分弱、ProGrade Digitalだと11分弱と4分の差が出るんですよねえ(Mac Pro 2019の場合)。スピード好きな方は是非。
ワタシ?カードは今後、どちらも使いつつ、リーダーはOWCにしようと思います。

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