昨夜のCanon EOS R の初号機はガンダムじゃないエントリーの続きです。
米国映画風に言うなら、Hey,Siri。良いニュースと悪いニュースとどっちから聞きたい?
という訳で悪いニュースから。
EOS Rは4K対応。なんだけど、しれっとDCI-4KをやめてUHD 4Kに。
これ自体は製品のポジショニングゆえとも言えるので小さな残念、程度ではあるんだけど
EOS R の4Kはクロップのみ。
は大きなバッドニュースだ。なに考えてるんだ、キヤノン。自ら切り開いたデジタル一眼動画でこれか。もう、膝かっくんされた気分。
クロップファクターは1.74。(会場の説明スタッフによるもので公式発表ではないです)
この数字を聞いて、ああ、やっぱりと思った。
キヤノンはEOS 4K初号機、EOS-1DCのとき、クロップ4Kを採用している。技術的(回路的)に、全画素読み出し&リサイズが出来なかったからとは想像するけれど、そのときの彼らのポリシーは「画素を弄らないドットバイドットの等倍切りだし、収録による画質最優先」。
そのコンセプトはEOS-1D X Mark II、EOS 5D Mark IVにも受け継がれた。
キヤノンの技術力の限界(これは必ずしも技術が低い、という意味ではなく、画質、放熱、コスト、の総合的バランス判断という意味も含めて)の言い訳的な部分もあったとは思うけれど、まあ、頑なにドットバイドット主義だった訳です。キヤノンは。
で、その代償も大きく、1DC→1DX2→5D4とセンサー画素数が大きくなるに比例して、クロップ率も大きくなる計算で。
で、1.74って、そう、EOS 5D Mark IVと近似のクロップファクター。
EOS Rの記録解像度は 6720 x 4480 pixel で、EOS 5D Mark IVと同じ。
ピクセル数が同じで等倍切り出ししたらクロップ率は同じだあね。
ただし、EOS 5D Mark IVはDCI 4K、EOS RはUHD 4Kなので、長辺方向が短いけれど。
このクロップ4Kが製品ポジションゆえなのか技術的なものなのかは分からないけれど、EOS Rでいちばん残念な部分。HDMIから10bitスルー出力とか、凄く良くなった部分があるだけにがっかりです。
全画素読み出し→オーバーサンプリングのクオリティはソニーが実証しているのだから、キヤノンも次期EOS Rでは実装して欲しい・・・。
で、グッドニュースは充実のマウントアダプター。
もともとマウント内径が54ミリという圧倒的大きさのEFシステムの内径を継承するので、レンズの(アダプターによる)互換性はかなり期待できたのだけど、ほとんどのEFレンズが一切のエクスキューズなしに使えるという素晴らしさ。
写真は会場で試させてもらったマウントアダプター経由でのEF24-70mmF2.8。
合焦速度等は元のレンズのパフォーマンスをそのまま出せる、との話でたしかに俊敏。
(AFは少し迷ったけれど、理由は不明。)
そして通常型のマウントアダプターに加え、コントロールリング搭載のアダプター(左)、さらにドロップインフィルター搭載のアダプター(右)。
ああ、これは最高。特に可変NDフィルター搭載型は、これまでの一眼動画のウイークポイントであるNDフィルターワークの負荷を大きく減少させる飛び道具。
ただ、可変だけに色変化はありそう。この辺は実際に使ってみないとなんとも。
ちなみにマウントアダプターにはEF-Sレンズ用の白い指標が。
え?EF-S(APS-C)レンズも使えるの?EOS Rはフルサイズなのに
と思ったら、EF-Sつけると「自動で」クロップされ、ファインダーもAPS-Cモードに切り替わるそうな。
そしてフルサイズレンズ使用時にも設定でAPS-Cクロップが可能に。
ああ、ついに。
とするとRシステムで高速連射型の機体が出てきたらEOS 7D Mark IIのようなAPS-Cフラッグシップの立ち位置はなくなるかも。
続く
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