ところどころ不満がないと言えば嘘になる。それでも、見事に全7章、26話を描ききったと思う。ヤマト2199 最終章となる 第七章 そして艦は行く が今日から2週間だけ公開。
以下、感想。露骨なネタバレは避けるつもりだけど、それでもそれなりには書いてしまいそうなので、新鮮な気分で劇場に行かれる方は、公式ページに行かれることを推奨です(笑)
制作遅れによる一部の短縮など、残念な部分はあるし(にしても映画冒頭でお詫びがでるとは思わなかった)、コスモリバースシステムが核に一種の人格を要求するって設定もどうかと思うけど、オリジナル(旧作)から約40年を経てのリメイクで、旧作を大事にするところ、大胆に再構築するところ、のバランスは見事だったし、新しいヤマト像を描けていたと思う。
ここに関しては、ストーリーも設定も描写も大きく刷新しつつ、物語として新しいものを提示できなかった実写版(キムタク版)ヤマトとの違いを感じざる得ない。
新しいこと、とは、表層の話では無いのだ。(でも実写版ヤマトもキライじゃないんですよ)
FBでもコメント貰ったけれど、ヤマトは艦首側からより、艦尾からの画が好き。
ヤマトという物語は、ヤマトの旅を見つめる物語だと思うのです。
第7章はデスラー総統を筆頭に、狂気がにじんだキャラクター描写がいいなあ、と。ヤマトもろとも自分の星の首都を滅ぼそうとするデスラー。その彼に捨てられて狂乱するセレステラは、最後まで報われることなく死んでいく(でも、撃ったことを後悔するような表情をデスラーが見せるのに、彼女はそこには反応しなかったなあ)。
ヤマトが沈んだ、と聞かされた森雪の目は明らかに狂気をみせているし、単なる「愛する人」みたいな描写になってないのが好き。
で、そういう狂気についていけないタランやヒス、がいいコントラスト。ゲール君は結局生き延びたんだよね?旧作に較べおいしい役に出世した感じ。
そういう意味ではガル・ディッツ提督はレプタポーダで別れたきり、絡んでこなかったのは消化不良だなあ。
そういえば、スターシアのラストカット、彼女、お腹に手を置いてますよね。。。
今回のヤマトを象徴するのがこれだと思う。波動砲の封印。
(しかも地球イスカンダル和親条約に基づくとされている)
旧作からの頃から波動砲を過剰な力、と感じる描写はあったものの、2199ではそれがかなり意識的に描写され、それでいながら決戦兵器として常にヤマトの勝利に使われてきた。
スターシアの失望感も、でも、それってただの理想主義だよねえ、と思わせる描写をしたうえで(そして過去にイスカンダルが波動砲を兵器として実戦投入していたことまで見せた上で)、波動砲を封印したヤマトが離陸する(離水する)のは、かなり重要な2199のテーマ描写だと思った。
同時にこれで続編がない、とも思う。いや、その上で再び拡散波動砲もったアンドロメダ作っちゃう地球人、ってドラマは人類の業、をテーマにするなら面白いけど(笑)イヤな物語になりそうだ。
追記:今気がついたけど、波動砲って2199では次元波動爆縮放射機、だと思うのですが、上記のプレート(公式パンフ)、字が間違ってますねえ(笑)
イスカンダルで作業した際に、作業員がミスった設定でしょうか・・・。
ラストシーンで流れる曲が、まさかの「明日への希望」。
アニメサントラの潮流を大きく変えた「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」のハイライト曲だけど、一度も映像のヤマトでは使われることのなかった知る人ぞ知る、曲(の編曲版)。
これはサントラ第3集を買うしかないなあ。
いろいろな意味で、今回のシリーズが、大事に大事に作られてきたことを思う。
いや、楽しかった。
本当は、このプラモ群に手を出したいけれど、もう、プラモデルを作る時間は残されていないのですよ。残念。
追記:
せっかくなので過去に書いた宇宙戦艦ヤマト2199関係の感想やレビュー?エントリー一覧を追記
初代ヤマトのリメイク
ヤマト2199 予告篇
グレートメカニック21のヤマト2199特集
真っ赤なスカーフと宇宙戦艦
交響組曲とディスコの 宇宙戦艦ヤマト
メルセデスベンツとヤマト2199
沖田艦長とヤマト2199 第5章
ヤマト2199 第5章 ロングバージョンPV
ヤマト2199 第五章 望郷の銀河間空間
ヤマト2199 第六章 予告篇が熱い
ヤマト2199のEDが今日から変わるらしい
新造形の超合金魂 ヤマト2199
ヤマト2199 第6章 と 三段空母
ヤマト2199 サウンドトラック 2
ヤマト2199 公式設定資料集 EARTH
ヤマト2199 最終章 第七章 冒頭10分公開
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いつも楽しく見させてもらってます。
ヤマト2199 最終章を見られたんですか。
私も早くみたいですねぇ。
週初め、日曜放送のヤマトが結構楽しみで一週間待ち遠しい限りです。
もう1クールあれば…ってところでしょうね
後半はしょった感が凄かった><
ともあれすばらしい作品でしたよね