Blackmagic Cameraが外部SSD記録をサポートしてから、俄然iPhoneに外付けSSDを繋ぐ運用がホットになりました。・・・のはいいのですが、ポータブルSSDと言っても性能差(速度差)は大きく、どれを選ぶべきかは悩ましい。そしてMacならBlackmagic Disk Speed TestとかAJA System Test Liteといったストレージスピード計測アプリがありますが、iPhoneには無かったのでファイルのコピー速度をストップウォッチで測る、といった方法しか無かったのです。
が、先日、Other World Computing(以下OWC)がiPhone用のドライブスピード測定アプリ OWC Drive Speedをリリースしました。しかも無料アプリです。
OWCはハードウエアメーカーだと思っていますが、OWCのRAID製品群を構築するソフトウエア Soft RAID はOWCブランドだし、先日書いたメモリーカード メンテナンスソフト InnergizeもOWCオリジナルだし、実はソフトウエア部隊も厚いようです。
OWC Drive Speedの起動画面。OWC Drive Speedはストレージのスピードテストというには微妙に違って、ビデオデータのフォーマット(コーデック、解像度、フレームレート)を設定し、そのデータを持続的にRECできるか、コマ落ち(フレームジャンプ)の発生有無を調べるアプリです。
iOS用ですが(サポート外ですが)iPadでも使えるようで、後半ではそこに触れます。
① まず計測するドライブを選択します。
デフォルトはiPhoneの内蔵ストレージです。
② コーデックと解像度を選びます。
H.264, HEVC(H.265), ProRess 422 HQ, ProRes 422, ProRes 422 LT, ProRes Proxy が対応です。後述しますがiPad AirではH.264, HEVC(H.265)しか選択肢が現れませんでした。
解像度は24P,720P,1080P,4Kの4種類。
③ フレームレートを選びます。
24P,30P,60P,Maximum が対応。Maximumについては後述します。
④ 計測時間を選びます。
この分数、書き込みと計測を行います。当然、長い方が信頼性があがりますが、今回は1分でやっています。
計測中(左)と計測終了画面(右)
① 設定したストレージと、容量、空き容量。コーデック、解像度、フレームレートが表示されています。
② 計測中はリアルタイムに数値がアップデートされ、ホイールが進行状況に応じて塗られていきます。
③ 進行状況がグラフ状に右方向へ進みます。コマ落ち(フレームドロップ)があると、そこが櫛歯状に欠けます。
④ 計測が終わると、最大FPSと最低FPS、そして落ちたフレーム数が表示されます。(ここではH.264 FHD 60Pがコマ落ち無く記録できたことを表しています)
コマ落ち(フレームドロップ)が生じると、このように表示されます。
ProRes 422 HQ 4K 60Pは、さすがに1コマ落ちたようです。(iPhone 14 Pro 512GBモデル)
フレームレートMaximumを選ぶと、最大速度書き込みを行うようで、最大FPSと最低FPSが目まぐるしく変化します。下段のグラフが激しく変化しながら描画されます。要はこの最低FPSが記録フレームレートを下回らなければおっけーなのです。
ここまではiPhoneの内蔵ストレージの計測でした。ワタシのiPhoneはiPhone 14 ProなのでUSB-Cで外部ストレージを接続できません(冒頭の写真は、T先生のiPhone 15 Pro Maxをお借りしました)。
ので、正式にはサポート外ですが、iPad Air 5thで外部ストレージ接続を試します。(なので、以降は参考記録だとご理解下さい)
ストレージは同じOWCのEnvoy Pro Elektron (公称実測値1,011MB)を繋いでいます。
なお、Drive Speed v1.0.1では選択したストレージが反映されない(アプリの再起動で選択される)バグがあるとされていますが、V1.0.2.2でも同様でした。ただし、これもサポート外のiPadゆえかもしれません。
前述したようにiPad AirではH.264, HEVC(H.265)しかコーデックの選択肢が現れませんでした。
OWC Envoy Pro Elektronを記録先に、H.264, HEVC(H.265)4K 60Pを試しました。5回中4回、コマ落ちなしで記録完了。H.264 4K 60Pのみ1コマドロップが報告されました。
HEVC 4K フレームレートMaximumで3回走らせましたが、すべて60fpsを下回ることはありませんでした。
iPadではリアルタイムグラフが表示されませんが、右上の結果転送(?)ボタンで計測結果をhtmlとしてiPhoneやMacに転送できます。
こんな感じ。約40秒くらいまでは高い転送レートを維持できていますが、その後断続的な落ち込みが見られるので、1分じゃ無く、5分、10分と時間を延ばしたらコマ落ちが生じるかも知れません。
USBメモリーサイズのSSD、OWC ENVOY PRO MINI(公称実測値946MB/s)でも試してみました。
ところが、こっちだとHEVC(H.265)4K 60Pコマ落ち(フレームドロップ)が必ず(3回中3回)発生しました。5%ほどの転送レートの差なのか、ストレージのフォーマットの違いなのか、空き容量の違いなのかは分かりません。後日、時間があれば初期化して再テストしてみようと思います。
iPhone 15 ProがUSB-C(10Gb)に舵を切って、実用性が急上昇中のモバイルSSDですが、動画収録に使うならスピードテストは必須。OWC Drive Speedは現時点で唯一無二なテストツールだと思います。
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