先日書いたように、短時間ではあったものの、SONYのフルサイズムービーカメラ、NEX-VG900を試用することができたので、レビューまでいかないまでもファーストインプレッションを。
なお、本機はβ機なので実際発売されるVG900では仕様や画質が変わっている場合があることを、予めご理解頂きたい。
APS-Cサイズセンサーを前提に作られたEマウントに、フルサイズセンサーを載せ、マウントアダプターでフルサイズ用レンズの運用を可能にするという、なんというかGパーツがあればガンダムだって空を飛べる的発想(?)の理屈や機構についてはAV Watchの小寺信良氏の記事に詳しいので、解説は丸投げさせていただく(ってか、小寺氏ほどちゃんと説明する自信は無い)。
ここでは、実際に撮ってみた(繰り返すがβ機の)映像と使用感を書く。
使用したのは、NEX-VG900(β)にマウントアダプタLA-EA3を介してツアイスのVario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM(SAL2470Z)を装着している。
評価の高い大口径ズームレンズでVG900と組ませたときの威風堂々とした存在感は素晴らしい・・のだが、1キロ近い質量のこのレンズ(955g)をつけるとVG900は完全なフロントヘビーとなり、三脚運用以外ではバランスの悪いコトこの上ない。
ワタシはNEX-5(初代)ユーザーなので何本かEマウントレンズも持っているが、それらはケラレが出てしまうため今回は使用していない。
まあ、それでも、大事なのは画だ。という訳でテスト撮影。
SONY NEX-VG900 β TEST from SAIKA on Vimeo.
撮影 兼 現場チーフ:高田昌裕(メディア工房助手)
スタッフ&キャスト 駿河台大学メディア情報学部斎賀ゼミ学生
この画は強いな。(最後のカット以外は補正無し)
NEXで動画撮って、これで充分と思うことはあったけど、凄い、と思ったことはなかった。
でも、このVG900は凄い。
ただ、撮れる画は凄いのだけど、操作感はいまだこなれてない部分も感じる。
もちろん、VG10/VG20に較べ、ちゃんと各種の改良は施されており、露出その他のダイレクトボタンが液晶の下からちゃんと外部鏡筒に専用ボタンで出ていたり
ボディ上面に、RECスタート/ストップボタン、拡大フォーカスボタンが設置されていたり、着実に使い勝手は向上している。
だが、新設されたシーソー型ズームレバーが旧来型のレンズで使えないのは当然とは言え、デジタルズームになっている罠や、代わりの機能(例えばアイリス等)にアサイン出来ないなど、VG10を使ったときのもどかしさが再燃する。
ただ、このあたりはファームでなんとでも(?)なる部分とも思うので、出荷までになんとかなるといいなあ。
そういう意味では、エンジンはスゴク良くなったけど、各種装備が最適化されていないという感じかなあ。
でもね、フォローというイミではなく書いておくと、これがツアイスのレンズ込みでもHVR-Z5J程度の価格なんだよね。
Z5Jは名機だと思うし、ゼミでも4台運用してるけど、画の力ではもはやレベルが違うとしか言えないと思うのだ(ENG機としての使いやすさや信頼性の話は置いておいて)。
VG900はひとつのブレイクスルーになるのかもしれない。
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