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プロニーズに応えるハイエンド4Kディスプレイ:BenQ SW271 【AD】

PC用ディスプレイはコストパフォーマンスに優れた選択肢が各種出てきたものの、FHD(1920×1080)やWQHD(2560x1440)が主流で、4K(UHD 3840×2160)のものは依然、高価なまま、なのが現状でした。家庭用テレビでは4K解像度が普及しつつある中、制作用のPCディスプレイがそれより低解像度という悲しい状態だったのですが、BenQの新型4Kカラーマネジメントディスプレイ、SW271はその解決策のひとつになるかもしれません。

そんな本格派のフォトグラファー向けPCディスプレイ BenQ SW271を日本発売に先駆けてしばらく試用させていただきました。これは4K解像度を持ち、カラーマネージメント、HDRに対応したハイエンドスペックながら、比較的リーズナブルな27inchディスプレイです。

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BenQ SW271 公式ページ

この記事は、reviews(レビューズ)より依頼した企画です。

このブログにおける【AD】【PR】等 表記と運用ポリシーについてはこちらをご覧下さい。
https://mono-logue.studio/3394

このブログでレビューする主な特徴は
・4K(UHD 3840×2160)
・高精度な色管理と再現性
・ピボットはじめ実用的な運用性
・映像編集用としてのデュアルディスプレイ
です。

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先だってレビューしたBenQ EW277HDRと本機 SW271をデュアルで使うと、実用的かつローコストな映像編集環境が構築できます(後述)。

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BenQ SW271は評価の高い同社SW2700PTのグレードアップモデルの位置づけだといいます。
SW2700PTはハードウエアキャリブレーションによるカラーマネジメント、Adobe RGB 99%をカバーするフォトグラファー向けの高品位ディスプレイ。WQHD (2560×1440)のIPS液晶搭載の27型ディスプレイです。
これに対し
SW271は同じ27型ながら4K UHD (3840×2160)の高解像度10-bit IPS液晶搭載、ハードウエアキャリブレーションによるカラーマネジメント、Adobe RGB 99%カバー率は同じと色再現性の精度を保持したまま、解像度を225%アップしたと言えるでしょうか。

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SW2700PT同様に遮光フードが標準で付属します。高精度な色表示を行っても周辺光の悪影響が出ると台無しですが、この内側に無反射処理を施したフードで周辺光の影響は大幅に抑制可能です。

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フードは組み立て式で、正直、セットアップに数分かかって面倒くさいですが、その代わり、パーツを組み替えることでディスプレイのピボットによる縦位置モードにも対応するのが◎(後述)です。

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ハードウエアキャリブレーションは試用時点ではx-rite社のi1Display Proのみに対応。仕様にはdatacolor 社のSpyderも記載されているので、製品出荷時には更新されていると思われます。

前述の遮光フードにはキャリブレーターを使用するためのスライドハッチがあります。
キャリブレーターを使うための専用ソフトウエア Palette Master Elementも標準添付(サポートページからダウンロードも可能)。ただし、2017年12月7日時点で公開されているPalette Master Element Ver.1.2.5はMac OS 10.13 High Sierraには未対応です。本レビューではMac OS 10.12 SierraのMac Pro (Late2013)を使用しました。

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設置寸法(数字はUSページのものを使用)。
約10cmのスタンドの上下昇降幅があります。

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さらに前傾5°仰角20°のティルト機能を持ちます。

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個人的にとても便利だったのが左右におよそ45°、計90°のスイーベル(左右振り)機能。
遮光フードを着けたディスプレイは斜めから見にくいため、ふたり以上でディスプレイを覗き込みながら作業するとき場所の入れ替わりなどが必要で余分な時間がかかるものですが、このくらいスイーベルすると、それぞれが定位置のまま画面を確認できて◎です。

もちろんいくら視野角の広いIPS液晶だといっても正面から正対で見るのがベストなのは間違いないので、その意味でも好印象です。

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背面スタンド上部に設けられたハンドルは、そのスイーベルにも、ちょっとした場所移動にも便利です。(側面を持つと遮光フードが外れちゃったりするので(笑))

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そしてSW271の大きな特徴のひとつが、簡単に縦横回転(ピボット)して得られる縦位置(ポートレート)モード。
*この写真ではすでに遮光フードを縦位置用に組み替えていますが、キャリブレーター用ハッチがちゃんと縦位置対応位置に移動しているのが分かるでしょうか。

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縦位置モードで表示する縦位置ポートレイト(Photoshop使用時)。

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縦位置モードでも上下昇降が可能です。もっとも低くセットしたときはデスク面に沿うようにベゼルが接地します。

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縦位置モード時も-5°から20°のティルト機能は有効です。
*縦位置用に組み替えた遮光フードの様子にも注目下さい。

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背面

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背面側面(正面からは左手)にUSB3.1 (Gen1)ダウンストリーム端子。
およびSDカードスロットがあります。

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映像入力はHDMI(Ver.は18Gbpsの帯域を持ち4K/60Pに対応するVer.2.0 音声重層)x 2 とDisplayポート 1.4 x1。USB-C。
HDMIが2系統あるのでPCを2台。もしくはPCとAppleTV等を常時接続しておいて切換使用が可能です。
なお、ヘッドホン端子はありますがスピーカーは内蔵していないので、動画用途に使う場合には注意が必要です。

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USB-C端子があることで、MacBook Proのセカンダリーディスプレイとしても使用可能です。

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USB-C使用時は伝送レートを割り振るために帯域設定が必要です。UHD/60Hz + USB2.0で使うか、UHD/30Hz + USB3.1で使うかを設定することで、意図する伝送レートを実現することになります。

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以前レビューしたBenQ EW277HDRの設定ボタンは本体下部でしたが、SW271の設定ボタンはフロントベゼルにあります。
ただ、その本体ボタンを使うよりSW271に付属するOSDコントローラーを使うと設定操作が非常に楽です。

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色温度、輝度、カラーモードはじめすべての設定項目が手元で操作できるのはとても◎。
ただ、OSDコントローラーを手元で使えるように長いケーブルでOSDコントローラーと本体が繋がっており、コードが乱雑になりやすい面もあるのが痛し痒し。

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今回もAppleTV 4Kを接続してみました。というのも、EW277HDR同様に本機もHDR対応ディスプレイだからです。
さらに本機は10ビットのIPSパネル。よりグレードの高いHDR再生が期待できます。

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4K HDR 4:2:2のコンポーネントサンプリングレート対応が確認できます。

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結果も非常に深みのある(暗部、明部、ともにのびた)HDR動画の表示が得られましたが、Dolby Vision方式のHDR映画を表示したところ、適切なコントラストで表示が成されませんでした。
HDRには大別してHDR10、HLG、Dolby Visionの方式がありますが、SW271の公式ページのHDR機能の項には
※HDR機能はHDR10をサポートしています と記述されています。
HDR10の動画を表示してみたところ、キレイな階調で再生されたため、SW271はHDR10のみサポートで、まだ採用数の少ないDolby Visionには未対応なのではと想像します。(HLG動画は試せなかったので分かりません)

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今回、もっとも試してみたかったのがEW277HDRとSW271によるデュアルディスプレイ運用。
特にノンリニア編集ソフト(Final Cut Pro )による4K動画編集です。
EW277HDRを操作画面に、SW271をプレビュー画面に設定します。

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EW277HDR(左)とSW271(右)はともに27inchディスプレイなので、本体のサイズ感はあまりかわりません。しかし、ディスプレイ解像度は1920×1080 (EW277HDR)と3840x2160(SW271)と4倍の差があるのです。それでも両者を組み合わせるメリットは主にコストパフォーマンス。
ノンリニア編集において操作ディスプレイは必ずしも高解像度が必要ではなく(あっても邪魔にはなりませんが)プレビュー用に色再現性の高いディスプレイがあれば(この場合SW271)、そこまで精密なカラーマネジメントの必要もありません。
EW277HDRの市場価格はおおよそ3万円、SW271の市場価格は14万円ほど(どちらも2017年12月17日現在)なので、SW271をデュアルで使うと約28万円が必要なのに対し、EW277HDR+SW271の組み合わせだと17万円ほどで組めるのです。このC/Pはとても◎。
2017/12/22追記
ブログ執筆時(12/17)は14万円ほどでしたが、数日後の今日、12/22時点で12.3万円ほどになっています。EW277HDRとあわせ、15万円強で上記デュアルディスプレイ環境が構築できることになります。
恐ろしくC/Pがいいなあと思いますが、こう短期間で価格が上下すると、買い時が難しいですね・・・。

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ディスプレイ環境設定

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見た目ではこのように表示されるEW277HDR+SW271のデュアルディスプレイ表示ですが

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解像度的にはこのような形となり、4K UHDの動画をドットバイドット(ピクセル等倍)でプレビューできていることが分かります。
4K動画編集時に、常時ピクセル等倍でプレビューできることが制作の安心感に大きく寄与することは言うまでもありません。

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EW277HDR+SW271の組み合わせは、制作クオリティを担保しつつ、コストを抑える機材構成としてとても有効だと感じました。

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SW271は(その内容の割に)リーズナブルな価格で、それでいて4K UHD、ハードウエアキャリブレーションによるカラーマネジメント、HDRという現在のクリエイティブ用途ディスプレイに要求されるスペックを持つ、高品質なディスプレイです。
本格的な制作に耐えうるシステムを(可能な限りリーズナブルに)持ちたいと思うならとても気になる選択肢だと思います。

BenQ社には、アンバサダー制度があります。
ワタシはレビューを通じて同社製品に触れているので、参加させて頂きました。購入前に実際にモニターする機会がある(あくまである場合もある、ですが)のは、とても良いことだと思っています。
BenQアンバサダープログラム

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