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カシオの意地 PRO TREK PRX-2000T セミナーレポート

モノフェローズでCASIO PROTREK PRX-2000Tの開発者セミナー及び長期貸し出し(2ヶ月)を行うという案内があったのが3月中旬。
この腕時計、面白そうなんだけど、登山用腕時計で、かつ、登山またはそれに準じる環境での使用およびレビューという条件が(当初)ついていたので、時計好きだけどアウトドア苦手〜とわざとらしい(笑)コメントを書いておいた。

そうしたら時計レビュー(?)あげていたせいか、事務局から「登山の条件を緩和(撤廃)するので来や〜」という連絡(笑)
へへ、という訳で行って来ましたカシオ本社
プロトレック MANASLU モノフェローズ専用セミナー

みんぽす

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みんぽす
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カシオ腕時計の歴史から始まったセミナー。
すでに35年の歴史を持つカシオの腕時計事業だが、正直あまりそそられてこなかった、

プレゼンを聴きながら合点がいったのだが、それは総体的にカシオの腕時計が安っぽい(失礼)せいではなく、カシオの考える(目指す)のは最初からリスト情報機器といういわばモバイル情報端末の手首装着バージョンだからだ。
往々にして宝飾品、貴金属と同じカテゴリーで扱われる腕時計ではなく、新しい価値の創造と実用。
なるほど。ワタシがカシオの時計が面白いと思いつつ、1本も持っていない理由はそこか、と再認識。

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プレゼンテーションは、カシオ計算機時計事業部モジュール開発部モジュール企画室の牛山和人氏
あとで書くがとんでもないこだわりの人だった。EXILM EX-FH20セミナーでプレゼンした開発本部QV統括部の宮田室長も熱い人だったが、牛山氏もすごい。
このおふたりは同期らしいが、カシオではこの世代が熱いのか。

実はぶっちゃけていえば、ワタシは製品の開発秘話みたいなものにさほど興味がない。
製品の魅力は、最終形である製品そのものに現れるもので、プロセスを見せて訴求するものではないと思ってるからで、「好きになったら昔のことも知りたい」って恋愛と同じで(笑)、好きになる前にプロフィールはいらないのだ。

だが、このPRX-200T MANASLU の開発話はひじょうに良かった。

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1994年の初のトリプルセンサー搭載腕時計ATC-1100が登山家に好評だったことをうけて、翌95年に始まる登山はじめ本格アウトドア向けのセンサーウオッチとしてのPRO TREKシリーズが始まる。

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ATC-1100
この後、視認性を大きく向上させる二層液晶や電池不要のソーラー駆動、そして電波受信機能を組み込んだ2005年のPRW-1000でひとつの完成形に至った(はずだった)。

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プレゼンが正直だなあと思うのが、登山家竹内洋岳氏へのPRW-1000供給を製品完成度の確認とブランドステータスを高めるためと書いちゃうこと。
これでヒマラヤ登山をサポートしたプロトレック・・・といった予定調和で終わるはずだったが・・

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「腕時計」としては使って貰えなかった。という衝撃の?展開。
プロジェクトXなら、「そのとき、牛山は呆然と立ち尽くした」とナレーションが入るところだろう。ブランドイメージ向上どころの話ではない、とショックを受けたのも当然。

が、ここからの行動が凄い。というかプロジェクトX的というか。

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牛山氏は本格的な登山を始める。
その道にはまったく明るくないが、厳冬期の雪山登攀、ロッククライミングまでに至る本気度は敬服に値する。

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2層液晶を捨ててまで実現した高密度実装の薄型モデル PRW-1300は、竹内氏の腕でヒマラヤを登る。

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左が1000、右が1300
2007年7月に竹内氏がガッシャブルム II 峰で雪崩に遭い瀕死の重傷を負った事故で、救出時に身につけていたのは衛星携帯電話とPRW-1300だけだったと竹内氏が語るほどの評価と、マーケット的成功を収めるが、牛山氏は二層液晶を削らざる得なかった1300に満足していなかった。

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そして徹底した高密度実装の再アプローチ

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1000と2000の各パーツの比較

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二層液晶を搭載して、大幅な薄型化を実現。
これがプロトレックのフラッグシップモデル PRX-2000 「MANASLU」のストーリーだ。

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ちなみにメインモジュールをワタシの時計に置いてみる

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小さい・・・薄い・・・
まあ、ワタシのは機械式なので厚くて当然だが・・

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これから2ヶ月、我々モノフェローズにMANASLUが貸し出される。
金属バンドなのでひとりひとり調整。2ヶ月、よろしくね。

このエントリーはいわば、カシオのセミナーレポート。牛山氏の熱さ、思いに感化されたいわば開発者の思いを伝達するものだ。
これから2ヶ月実際に使いながら、登山もアウトドアもしない軟弱な都市型生活者のワタシが使うとどうよ、を時々レビューしようと思う。

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セミナーのみで帰ってしまったヒトもいるので、その後の懇親会の最後で撮った一部参加者の記念写真。

そして、登山家竹内氏はいま、同じ PRX-2000 「MANASLU」を腕に、ローツェにいるらしい。最新ブログでは高度順化でチュクン・リ(5500m)に登頂したとこらしい。

まったく門外漢ながら、ローツェ登頂の成功と無事な下山をお祈りします。

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コメント (2)
  1. 森田勝里 より:

    1300をきっかけに
    何故かG-Shockが増殖した私ですが(笑)
    こういう進化をする辺り
    私は本質の理解には
    ほど遠かったんだな〜と思います(爆)
    はい、気圧計が欲しかっただけなんです
    しかも
    使ってみたら
    意図していたものと全く違ったという
    オチまでつきます(笑)

  2. SAIKA より:

    まあ、ワタシも想定ユーザーと遠いところで
    いま、試用させていただいていますので・・・・(^_^;

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